感想 原悠衣 『きんいろモザイク』3巻

 大体の内容「今回もいつも通り可愛いDEATHよ!」。現在のまんがタイムきららMAX誌の可愛い二枚看板*1である所の『きんいろモザイク』、アニメ化! の方も順調にスタートした『きんいろモザイク』ですが、アニメ化! と言って特にアニメ映えしそうな話をしようという心の隙は全く無い。アニメ化による精神的動揺は決してない、と思っていただこうッ!! という感じでいつも通り可愛いよ、と、ちょっときつめのボケ具合だよ、を積極的にやっていく、それが『きんいろモザイク』3巻なのです!
 3巻になって変わった点は、二年生に進級した事でしょう。それで、今まで一緒だった皆がクラス別々に。それも、忍とアリス、そしてアヤヤと陽子が分かれてしまうという波乱の展開!(波乱?) でも、それがネタとして通用したのは分かれたほぼ最初だけで、その後は普通に生活していってるのが描写されます。なんたるニンジャタフネスか!(ニンジャ? ニンジャナンデ?) という驚愕もあったりしますが、正直分かれた最初の一回で出来るネタはやっておいた! という面構えなので流石の原悠衣せんせだと言わざるを得ません。そして、それに漏れたネタはやっぱりアヤヤと陽子の関係な辺りも流石の原悠衣せんせであります。長く引っ張るのはやっぱりアヤヤの方だよな! という我々の理解を容易く察するそのあっ……(察し)能力の高さ、そしてそれをきっちりネタとして可愛いを交えつつ昇華しきる辺りは匠の域です。
 それにしても、この巻におけるアヤヤの立ち位置、というのは可愛いんだけど何かが狂っている気がするというこの漫画の基本姿勢にきっちり沿う形です。よりにもよってカレンを師匠として仰いだりする錯乱具合で陽子と喧嘩したショックを表していたり、かくれんぼで鬼であるカレン+陽子が何か話てる! と思ったら見つけられずに去られそうになって私はここよ! と遊びの趣旨を忘れる錯乱具合だったり、アリスとちょっと大人になる為に不良になろう! ってやりだすやっぱり錯乱具合がえらい事になったぞ……。とどこかの会長島耕作顔になる状況になったりと、今回は八面六臂の活躍でありました。それで問題があるかと言うと、我々はそういうアヤヤが見たいのであり、そういう意味では完全な勝利-勝利の関係式がこの漫画には築かれているといえましょう。アヤヤは可愛いなあ。←色々な事に目を瞑りながら
 さておき。
 この巻にはもう一つのトピックがありまして、それが久世橋先生の登場です。ぴっちりとスーツ姿で決めて、クールで厳しいイメージを発散し、実際カレンに厳しく指導する久世橋先生ですが、実は生徒と普通に接したい、愛でたい、好かれたいという心を内に秘めるお方でありました。その視点で、烏丸先生が羨ましいなあ、尊敬するなあ、しているのもいいです。烏丸先生が若干ぽやぽやなので、それに相対するのには久世橋先生くらいの人じゃないとですし、実際に久世橋先生の登場で烏丸先生の存在感もやけにくっきりした感じも覚えました。それに、カレンとの交流もいい感じで、カレンの良さが更に引き立つ訳で、まさしくいい配役! といえるものであります。まだまだ昇るなあ、原悠衣せんせは。
 とかなんとか。

*1:もう一枚は『ご注文はうさぎですか?』である事は論を待たないと思います。