『まんがタイムきららミラク』2014年月1号 感想

今号の巻頭漫画感想

タチ『桜Trick
    • 今回はスミスミ会長回、なんですが、スミスミ会長、何を思ったかと言うと美月会長達の事を思い出してしまって、春香さんにお姉さんになってください! という問題発言をぶっこんできました。春香さんはいつも通り若干分かってないままにそれを快諾するんですが、これってかなりの火種じゃね? と思ったり。スミスミ会長も、どうしてそう思ったかは分かるんだけど、でもそういう事をするのがどういう事態を生むか、というのは全く頓着してない感じであります。優さんと春香さんの関係性は秘密のものだから、というのもあるんですが、それにしたって、発言が不用意過ぎます。もっと考えて! でも、それゆえに優さんと春香さんの間に新たな問題が提起される訳でありまして、ぶっちゃけるとタチせんせは凄腕やね、と思う事案でもあります。このまま二人だけの関係が続くのか、という所でこうやって波乱をちゃんとぶっこめるんだから。そして、好きがまだちゃんとしてない優さんと春香さんの問題と、生徒会長として空回りしているスミスミ会長の問題が、この件で一緒に立ちあがってきている訳でもありまして、いやほんと、タチせんせは全く見くびってはいなかったんですが、それでもまだまだ底知れないパワーを持っているのが分かって戦きましたよ。これが、アニメ化する漫画の力か……。

個別チェック三連撃

春日歩城下町のダンデライオン

 櫻田家の家庭の事情として、能力が暴走する期間があるよ、という話の流れで、茜さんが力が暴走して半裸になったり、花さんが意を決して修との交際を宣言するのが印象に残る回でした。花さん、茜さんの窮地に身を呈して且つ大仰に告白しちゃうので、本当にいい人であるのがよく分かります。だから、修もちゃんと向き合ってあげなさいよ! と思ったりも。修自体もどうやら色々考えはあるみたいだし、気持ちは素直にうれしいみたいだから、このカップルはいいように行って欲しいものです。
 しかし、力の暴走で半裸、って王道なのにこの背徳感! そういうお色気要素は基本そんなにないし、今回もそこまでエロスじゃないにも関わらずのこの興奮! 単に自分が刷り込まれてるだけですね、分かります。

清瀬赤目『アンネッタの散歩道』

 メイヴ達が道中で行き倒れの人を発見、そしてそれを助ける事に、という内容でしたが、それよりは先にアンネッタさんサイドでメイヴ達の扱いというか、どういう起源で存在しているのか、というのがはっきりしてきているのが印象的でした。ちゃんと、妖精だけど零落した神ではないか、という扱いなんですね。その辺のバックボーンがただ普通に妖精が、というのとは一線を画している感じで、これでメイヴ達とアンネッタが会ったらどうなるのか、あるいは“今”のメイヴ達というのはどういう風になっているのかとかにも話がいずれ飛んでいきそうで、中々面白いんじゃねえか、と思いますが、基本は妖精さん物のふんわりした感じで押しているので、やるなあ、とも。

あfろ『シロクマと不明局』

 さらっと力持ち=特殊能力持ちの話がされてますが、特にそれで驚異になるとかいう漫画でもないので、本当にエッセンスでありました。先読みって事は未来予知なんだろうなあ。実際、爆弾をあちこちに予め仕掛けてたみたいだし。っても、単にドタバタの一要素でしかないんですが、それにしても大変濃いドタバタでした。ここまできっちりドタバタ仕込んでたのはのぶオでも無かったような。変なノリは結構あったけど、ここまでベタなドタバタって珍しい気がする。印象で語ってるので気のせいかもしらんですが。あ、最初の餃子とジンジャーエールの件は無意味に最高でした。あんな怖い顔して言う事じゃない!

今号の巻末漫画感想

石見夕:よしだひでゆき『シロクロコミュニティ』

 普通ってなんだろうなー、とか思いつつ、基本的にはドタバタする漫画で大変美味しゅうございました。元気っこ可愛いのは世の理ですが、メガネっ子も可愛いのも世の理なのです。そういう意味では可愛い以上ではないのが気になりますが。というかどうなっていく漫画なのか、あるいはチャンと続きできるのかというのが気になりますが、案外そういうの無しなんではないかなー、と思ってしまって身が入らないので、ちゃんと連載にするならしていただきたいと思うのでした。

一応の総評

 今回ははりかも『夜森の国のソラニ』が最終回だったのが最大のトピックス。創刊から今まで続いてきた、ミラクのビジュアル面を代表する漫画であっただけに、その終了は時代の変化を感じさせるものがあります。こういうビジュアル、夢的な絵を毎度仕込んできた努力と継続力にはやはり頭が下がるものがありますし、ミラクというのをこの漫画で実感出来る部分もあったので、正直もうちょっと続いてほしいとも思うんですが、今回の終了があまりに綺麗に終わったので、ここで終わったのが逆に良かったのかなあ。と思ったりもします。次代のミラクがどのようなビジュアル面を持ってくるのか、というのは後続の漫画に託されていますが、『アンネッタの散歩道』みたいなのも存在することを思えば、これもまた代替わりなのかなあ、とも。とにかく、いままでお疲れ様でした、と書いておきたいと思います。

今回の掲載順変動

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