感想 クール教信者 『小林さんちのメイドラゴン』1巻

 大体の内容「ドラゴンがメイドでメイドラゴン!」。何故ドラゴンが一般SEな小林さんの所に? というのはなんかあったんだよ! 色々なあれが! という風にしつつ、更に何故メイドに? というのもなんかあっ(略)されてとりあえずメイドのドラゴンのトールと普通の人小林さんの日常を描いた漫画。それが『小林さんちのメイドラゴン』1巻なのです。
 この漫画はクール教信者せんせの漫画なのですが、今まで出ている単行本の中では群を抜いてファンタジー寄りです。小林さんが一般底辺オタSEでつまり普通人ですが、そのメイドとなったトールは普通の時は少女然とした風貌ながら実態は凄く、ドラゴンです……、というくらいにガチのドラゴン。それもだいぶ弱ってるけど元の世界ではかなりぶいぶい言わせてたらしい、というのも相まって、先に書いたように何故小林さんのとこに……。というのは仄めかされるだけです。この辺のうっちゃりが、むしろこの漫画を味わい深くしています。何か理由があって人間体で生活してるけど、基本的に人情が理解出来ていない節があるとか、それでも小林さんにはラブい気持ちがあるみたいだとか、その源泉がどこにあるのか、というのが見えないから気になるのです。この辺りは上手いなあ、と。さくっと話さないで仄めかすのって、決められると気持ちいいものだなあ。
 さておき。
 この漫画の面白い所は他にもあって、それがトールのお知り合いシリーズ。どいつもこいつも人格というか龍格に問題があるやつばかりで、畢竟トールの持つどこかおかしい部分もこれならむべなるかな。と納得の奴らです。それが一堂に介してみたりすると、色々起きるのでありますが、特にカンナはラブの方向がトールなので、様とかつけるくらいなので、小林さん憎しもあったりして、わりと殺伐としそうな所がありますが、それでも小林さんは受け入れてあげたりしてて、度量が広いのか命が軽いのか、とか思ってしまったりも。一応力が減じているって設定ですが、それでも河原で遊びで遊びとは思えないバトルとかする回は衝撃でした。小林さん、マジ危ない橋渡ってないか? 大丈夫なのか? そしてトールの気持ちは通るのか? というダジャレを使って気を紛らわせてしまうしかない、そんな怖い所もあるけど、基本的にはクール教信者せんせ特有の優しさがある、そんな漫画なのです。2巻でどう展開するかで色々決まりそうな気がしますが、はてさて。