感想 クール教信者 『ふるまぷら』2巻


クール教信者 ふるまぷら(2) (電撃コミックスNEXT)<ふるまぷら> (電撃コミックスNEXT)
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 大体の内容「すなわち、愛だよ」。ということで、ラブなエンドを迎えた『ふるまぷら』ですが、最近のこういう方向性ってどうしてこう脇目も振らないのかなあ、という謎の感慨にとらわれたりもします。タチ『桜Trick』の現在の状況とか、本当にあけすけと言うにもまだ違うアトモスフィア。これが、時代である、ということを認識しなくてはならないようです。皆さんは覚悟はできていますか? 俺は出来ている。
 ということをつらつら書いてので大体の展開は予想されようものですが、そうです、京さんと真さんはくっつきました。そこへの過程が、この巻の後半の重大な指針であり、目標であり、エンドロールでした。真さんが喋らなくなったことの調査とかもありましたが、そんなのはほぼ些末と言えるもので、あるいは京さんが覚悟を固める為のだしでしかありませんでした。ここまで調べたなら進むしかない、という段まで来て、しかし運命は残酷です。京さんは渡米することになるのです。そして渡米の日。まだ、一言も言えない真さんを後ろに、京さんは旅立とうとして、そこで……。相変わらずクール教信者先生は優しいなあ、というのを感じさせる展開でありました。このやさしさこそ、クー先生味。
 さておき。
 この漫画はこの巻で終わりとなります。流れからすると、途中で出てきた第二の女カヅミさんがちょっと扱いが足りなかったというか、もうちょい欲しかったんじゃないの? と思ったらクー先生ももうちょっと欲しかったかな? とかあとがき漫画で暴露していて、やっぱり勿体ない感あったよなあ、と。もうちょっと深く絡めれば、より味わいが増したのでは、という要素な感じがありましたからねえ。
 とはいえ、クー先生的には2巻としてやることはやった、と宣言されているので、成程円満じゃねえの。という言葉がするり。真さんと京さんが仲良くなって仲良くなって仲良過ぎになる、という過程はしっかりしておりましたから、あの終わり方でも納得が出来ます。その辺の落としどころ力、嫌いじゃないぜ。でも、もうちょっと二人の円満な関係をだらだらと見せることも出来たんじゃねえかなあ、というのと、でもここでさっぱりと終わってくれるというのもいいことなのかもなあ、というのがない交ぜになります。この辺は好きな漫画には常につきもののやつですが、『ふるまぷら』は特にそういうのを、優しい日常を見れるのが良かったので、それが延々でも、って思っちゃいますよ。伝統芸能レベルまで長続きしててくれても、とすら思います。うん、もっと見たかった。