感想 浜田よしかづ 『つぐもも』15巻

 大体の内容「奏歌母様の過去編、突入!」。色々と謎の多かった奏歌母様の過去に、潜っていく巻となりましたのが、『つぐもも』15巻なのです。しかも、この巻で終わりません。続きます。かずやも出ません。どうなる、『つぐもも』!
 さておき。
 今まで謎めかしにめかしてきて、この過去編な訳ですが、めかしにめかしたのがむしろ好影響を与えているように感じました。もう、こうなるしかない! という所に着地する為の助走を始めた訳ですが、それがバシーンバシーンと決まっている訳ですよ。奏歌母様の過去の惨劇、そしてそれ故に心に虚ろを持ち、それを埋める物がなく、徐々にそれを戦いの中に見出していく。ひりつくような死と生の間の、戦いの中に。あるいは、死ぬ事の方が奏歌母様には必要だった事なのでは、と放言してしまいたいくらいに、ウォーモンガーの道を進み始めて、この巻が終わります。この巻での積み重ねから、くくりと戦う事、そしてかずやと戦う事に何かしらの意味合いがあったのか、という事へのアンサーが仄めかされたように見えます。強い相手と、ただ戦い、そして戦いの中で。と考えるのは考えすぎかもしれません。しかし、この過去編での奏歌母様の危うさはちょっとどころじゃないですよ。成人以後の明るさとはまったく対照的なくらいに感情が無い、というのが、戦いでは笑みを見せる。それがどんどん笑みが増えていくのと何か関係があるのか。その辺が今後の情報提示で注意したい点ですね。あの明るさは、何を持って生まれていたのか。それがかずやだったのか。その辺ですね。
 さておき。
 かずや出ないのに、エロは!? という直截な発言をされる方もおられましょうが。大丈夫、浜かづ屋の漫画だよ! と言う事で、今回は奏歌母様が桐葉さんにエロエロ行為をするという、ある意味合法ながらどう考えてもエロという場面が所々で挿入されます。女対女なので、プレイは男のかずやとは違う形になり、それがまた新鮮なアトモスフィアでありました。リードが奏歌母様なのも重要な点でしょう。無表情子がエロプレイ。背徳! 何この背徳!
 そんな『つぐもも』15巻なのでした。次の巻で過去編がまとまる予感がしない!