感想 浜田よしかづ 『つぐもも』23巻

つぐもも(23) (アクションコミックス)
つぐもも : 23 (アクションコミックス)

 大体の内容「やっとく? 異世界物!」。ということでとても自然な導入で異世界物となったのが『つぐもも』23巻なのです。
 この異世界物になる導入は本当にこの漫画らしくなっており、つまりあまそぎとなったファンタジー小説の中にダイブ! なのです。内容世界があるのかよお!? と思われるでしょうが、鏡の中に世界があったりなかったりするこのジョジョ中、そこに世界があっても問題はないとは思いませんか? 俺はそう思う。誰だってとは言わんけど。そう言う意味では、この内容はかなり好き好きがはっきりするものですが、『つぐもも』に23巻も付き合っておいてそこに耐性がないという可能性は毛ほども考慮しないでいいかと思います。むしろ、この漫画にマジにならなくてどうするの? マジでマジに異世界物をする為に理屈をこねくりだしたこの漫画を愛さないでどうするの? そうマジトーンで2時間くらいリサイタルしたいですが、それは完全に話したい方向だけど完全に話が脱線しているので、感想に移ります。
 今回、異世界物やっていくなら、何が必要でしょうか。そう、触手プレイです。というマジ談は後にとっておき、ちゃんと今回の異世界物の話をしていきましょう。再度問いますが、異世界物やっていくなら、何が必要でしょうか。その問いに対して、この漫画の解答は、これだ!

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 つまり、異世界の人たちの集まりをがっ、と魅せることで、ああ、ファンタジー! という理解をさせてくるのです。色んな人がいる雑踏。現代の雑踏とはまた違うそれによって、というこの解答は見事かと思います。その前段階でも細かく異世界感は出していたのですが、この一コマでおおっと、させてくれました。百聞は一見に如かずの名台詞を知らないのかよ、と言えましょうか。
 さておき。
 この世界にぶっこまれて、現実世界で眠りについている、でもこの中では活発に? な目的の人物を探す、というのがどう考えても雲をつかむような話に見える訳ですが、それが更にあやふやになる内容をぶっこんできます。投獄がそれ、だと思ったか? 甘ェ! 異世界で投獄はジャブでしかないのは既に常識ですが、それから更に奴隷商人に売られてしまうのです。しかも、魔法でいつもの桐葉さんの力が使えない! ということで、人を探すどころの話ではなくなってしまいます。旅の為の道具も、かずやたちを奴隷商に売り払った獣人の子ががめてしまっていて、完全に異世界物回がどうなってしまうのか分からなくなってしまいました。親派隷派の争いで5巻使ったこの漫画なので、予断を許さないにも程があります。案外サクッと終わる可能性はあるんですが、折角舞台を変えられたんや。もっとエロせな! という方向性に舵をきらないとも限らず、さて本当にどうなってしまうのか。
 さておき。
 お話の方は一つ山を越えたところでこの巻はひとまず終わります。どうせやるならちゃんとダンジョンに潜ろう! というのをがっちりやりつつ、かずやたちが異世界で戦えることを魅せるいいシークエンスを持ってくる訳ですが、それよりもバカ、お前エロだろ! という欲望がいつも以上に爆裂しています。それが、先述の触手プレイです。
 世間一般の(意味不明な全体化)触手プレイのイメージでは、どういう理屈かは置いて、抵抗できなくして、であるかと思いますが、この漫画は抵抗しなければたいえき集めて帰っていく。殴ると異常に出てくるから我慢だ! というつまりセルフで抵抗しないムーブを取るという、触手プレイ業界ではかなりのだが俺はレアだぜ? なものを提供してきます。これには世間一般の(また意味不明な全体化)触手好きもにっこりです。ちゃんとエロい展開にしつつも、向こうの上限が来たら帰るからエンドレスはない。犬にかまれたと思えばいいので、話の展開にも差しさわりがない。見事な、と言えるでしょう。まあ、おにんにんがあるタイプの触手プレイが大丈夫な方でないとテストに出ないよお・・・。ってなるかもしれませんが。とはいえ、されてるのがぱっと見可愛い系なので、世間一般の(更に意味不明な全体化)触手プレイ感ではそれ程無理はないと思います。・・・ある? はは。
 さておき。
 今回のエロ展開の話を更に続けると、今回も霊交接がございます。それも二回。一回目はもう完全にかずやに陥落(おち)た! ってなっている響華さん相手に、もう一回は、当然のように桐葉さん相手です。
 響華さん相手は軽い感じでありましたが、状況的に必要のないけどシーン的に必要なエロ、という感じ。ガチガチにやってはいません。まあ、十分エロいんですが。
 それよりも、桐葉さんの方が問題です。22巻でのそれでは優位だった桐葉さんですが、今回は完全にレッツゴーしてしまいます。それも10回! かずやががむしゃらにエロしてくるせいで、全く相手にならないのです。ある意味おねショタの一つの到達点ですよ。なので、これ本当に18禁にしなくていいのかなあ。というものでした。表現もエロいし、絵もエロいし、いいのかなあ。一応流通しているからいいんだろうけど。
 さておき。
 異世界物編、もしかするとサクッと終わる可能性はあるものの、まだ探し人の情報の端緒すら手に入れてない上に、次の巻は冒頭からエロ拷問しだすんだ、と浜かづ屋がおっしゃっていて、更に他の人も触手プレイしたいともおっしゃっており、下手をすればかなりの長丁場になる可能性もまた、ある。どこまでも付いていくつもりだけど、どこまで行くのか。そう懸念も出てしまうけどやっぱり好き。そんな23巻でした。