大体の内容「バトルとエロのシームレスな展開、極まってきた」。28巻最後の展開で、厄介な冥府の鬼に桐葉さんを奪われてしまったかずや。その後も次々と付喪神たちがとりこまれ、と言う所でたうなでが介入してきて、という展開をするのが、『つぐもも』29巻なのです。
今回の巻はバトル多めで展開するので、話の進みはすこぶる遅いものの、かずやにとって一つの転機という部分もあり、また鬼に囚われるとほぼ全裸になるというエロ要素も絡むので、読んでたら一瞬で終わった、という無茶苦茶スピーディーな巻となりました。本当に素早く終わる為、読んでいて終わった瞬間に放心しました。一つの巻というのを、これだけ速攻で終わっただと！？ でした。
バトル面については、付喪神勢があっと言う間に鬼に取り込まれてしまい、かずやだけで戦う、という今までではなかった展開に持っていく様は見事です。地味に付喪神の面々がいなくても戦えるレベルにはなっている、というのの例示といしても卓越でした。それでもたうなでの手ほどきがないと流石に分が悪かった、というのと、手ほどきがあって戦闘できるようになった、というので、かずやのパワーアップイベントとしても成立しているので、今回の巻は大変密度が濃いものとなっています。
というか、たうなで、やっぱりあの人なんだろうなあ、と。一部が死んだとかそういうのかしら。魂が分かれるとかあるのかね、この世界。あの人、色々規格外だし、そういうのありそうだなあ、とか思ったりも。
ということで、あの人なんだろうなあ、というのが、今回のかずやへの戦い方の伝授が見事だったのも合わせて、頭の片隅に残る感じになりました。というか、かずやのパワーアップが現在の肝である、というのをすっかり忘れてしまってたので、そこを如才なくやってくる浜かづ屋は流石に出来上がり過ぎだと思います。でも濃すぎ！
さておき。
今回もエロ要素はきっちりあります。戦闘中に取り込まれた付喪神の面々がほぼ全裸という姿、一部浸食するようになっているのが逆にエロス、になっているというのをジャブで処理しつつ、糸信さんが棟梁にエロられているシーンをきっちり意味を込めて挿入し、更にとりつく鬼はとりついた体に入る能力がある、女性なら当然あそこ、というので戦闘が終わったらそこに指つっこんで、というダイレクトエロも飛び出す辺りは流石すぎます。というかこの辺のエロのシームレスな挟み方がマジで極まっているにも程が。
その後にしらねさんに霊交接をする話が丸々一本で構成されるという濃い回もあります。入っていなければ何をしても許されるのか！ という感じですまたとかしてました。それもしらねさんがオーダーするという形で。エロス！ しらねさんがかずやを見直す流れも合わさって、精神的なエロス具合も高いです。
ここがあれなのは、その一部始終を他の付喪神さんたちがのぞき見しているということでしょう。読者がのぞき見しているのと同じように付喪神の面々ものぞき見している、という形をいれることで、妙な共犯関係と言うか、でばがめの背徳感も混ざってくる、という所作。ただ読者が見ている、というのに更に付加価値を付けてくる浜かづ屋の仕事は流石すぎます。エロスに対して貪欲過ぎるし、読者に対してのサービスと共犯性の構築というのを同時にやるのマジ頭おかしなるで。
さておき。
かずやの強化も入った巻とはなりましたが、如何せん話が全然進んでいません。それだけ濃いバトル＆エロ展開だったのですが、流石にこの感じで進めると時間かかり過ぎる気がします。くくり様復活篇、どこまで長くなるか、既にドキドキ。いや、マジで後5冊くらいいるやろ、この展開だと。
と、老婆心が励起しまくりになるけど、満足度は異常に高かったのが『つぐもも』29巻なのです。
