感想 nonco 『ようかい居酒屋のんべれケ。』1巻及び2巻

ようかい居酒屋 のんべれケ。(1) (マガジンポケットコミックス)
ようかい居酒屋 のんべれケ。(1) (KCデラックス)

ようかい居酒屋 のんべれケ。(2) (マガジンポケットコミックス)
ようかい居酒屋 のんべれケ。(2) (KCデラックス)

 大体の内容「ここは妖怪吹き溜まり!(真実の意味で)」。ひのちゃんは大学苦学生。お金の為に、バイトを始めるも、どこも良からぬことが起きて、首、首、首ィ! そんな中なんとか入れた居酒屋は、妖怪の来るようかい居酒屋だったのです! ということでかわいい推しをしているけど、実相はちょっと違うぞ……。なのが、『ようかい居酒屋のんべれケ。』なのです。
 この漫画は確かにかわいいはあります。妖怪含め、皆さん良い感じにかわいい。が、基本的には、という但し書きが必要です。じゃあ、実際は? となれば、酷くなり過ぎない程度の、でも結構ギリなエロさ推しです。1話目からカッパの人が尻子玉をと言い出しますし、その取り方の動きが完全にフィストなやつ、というので、ああ、そういうタイプのスタンドなのね。という予断で見れば、2話目のあかなめの人もネタ的にヤバくも出来る所を、という結構エロ過ぎない、に舵を切っているのが分かります。でも、少しでもあれば、エロとはエロくなるものです。エロ受容体が微かなエロに反応し、びこーん! とアラームをついつい受けがちな我々。なので、その良い感じにエロ過ぎないエロさのエロさというのがいける口なら、かなりヒットするかと思います。
 戯言はさておき。
 そういうエロかわいいこの漫画ですが、常識人が希少というドタバタコメディにありがちなそれをきっちりと保持している点も見逃せないでしょう。実際問題、メインパーソナリティーのひのちゃんも、苦学生、というだけではない闇、乙女ゲーのキャラにお布施とか言っちゃう面もありますし、金の為ならなんでもする側面もあったりします。一番常識人スキルの高いのバイト先の先輩、のぞみさんも百合の気配を出している、のは常識人なのでいいのですが、やっぱり妖怪の変態行為に慣れているのは常識人としてどうなのよ、という判定をしてしまいます。序盤はマシだったんですが、徐々に感覚おかしくなってますヨネ、彼女……。
 そんな風に、一般人サイドの2人がちょっとヤバイのだから、妖怪さん達に至ってはそんなのぶっとんどるわ! というヤバさが漂っています。特に居酒屋店長に至っては謎幼女で確実に妖怪だけど、なんの妖怪なのか分からないくらいに守銭奴ムーブが強い印象をもたらせ、その金の為なら何でもする様もまた守銭奴ムーブを加速させる為、とにかく金が好きな得体のしれない幼女妖怪、という文字にすると錯乱したような文字列が生まれるので、本当にあの人なんなん? となってしまいます。
 さておき。
 こんなやばい妖怪だらけの職場でひのちゃん大丈夫なの? 性的な意味で、という場面も多々あるんですが、ひのちゃん、妖怪に対してフェロモンをぶんぶん出している、という設定となっており、しかもそれがかなり強度らしく、その為に今までの仕事も霊障めいたことになっていた、と1話で素早く発覚。その後も折々で妖気をどうにかせんと、護摩行とかするんですが、全然効果がない、という体たらく。そして、それ故に妖怪にヤバイムーブされてしまう、というのがこの漫画の基本ムーブとなっており、成程、治らんわな。という納得をするのでした。こういう設定を勿体つけずカカッと出してくる様、大変好きです。定期的に大きなドタバタを仕込める上で、小競り合いにも使える。まっこと見事。
 さておき。
 全体的に皆、人と妖怪含め、中々の変態度と可愛さが同居して好きなんですが、個人的には名前が出てたっけ? なくらいの登場頻度なのに印象に強く残る婦警さんが大変好きです。タイプとしては桜井のりお『ロロッロ』の婦警さんと同じですね。犯罪を憎み過ぎて感度がおかしくなっているタイプ。2巻で泥棒猫が居酒屋に! というので、唐突に「犯罪の匂いがする」と入ってくる様が堪りません。きっちり拳銃を抜いている辺りに危険度を感じます。そんなあの人が好きなので、何時かメイン回が見たいですね。
 と無茶を言いつつ今回はここまで。