言えざるものとしての「萌え」

現象としておきうる「萌え」には2パターンの存在があります。
一つは、キャラクターへの萌え。 これは比較的分かりやすいと思います。 あるキャラに「萌え」を感じる事です。
もう一つは、シチュエーションへの萌え。 これはちょっと難しいので解説しましょう。 燃える状況とかエロいシチュエーションがあるならそういうのもあるだろうという事です。 たとえば「ツンデレ」といわれるものがあります。 これは「デレ」になったキャラに萌えるのではなく、「ツンケン→デレ」への移行フェイズに萌えるというシチュエーション萌えの典型です。
さて、パターンわけはそれくらいにして「萌え」とは何かについて語りません。 語ろうと思えば、己の中の近似値を語る事は可能です。 しかしそれはあくまで近似値でしかなく、「萌え」の境地には程遠い。 千言万言尽くしても「萌え」を語りうる事は私にはできない。 己のうちのそれは、全てを言い表せないなら言葉にした瞬間に「嘘」になる。 それは「萌え」に対してあまりに不実だ。
ならばどうするか。 私は「萌え」という言葉を己からは使わないというシンプルな掟を自分に科すことにしました。 これで自分から他人に説明する必要がなくなります。 なにせ使ってないんですから。 沈黙は金、雄弁は銀と申します。 ここは銀なる雄弁ではなく金の沈黙を選ぼうと思います。
それだと、他人に聞かれたらどうするか、という問題も残ります。 これは相手が「言葉でなくッ、心で分かったッッ!」にならないと余り意味が無いので、感覚体験を聞きだしていく方法をとって「萌えと思った時ッ! その感情は既に完了しているんだねッ!」と分かってもらうしかなかろうと思います。
以上、私の萌えへのスタンスのお話。