感想 うえお久光「悪魔のミカタ13 It/MLN」

藤田香電撃文庫・750円・ISBN:4840227047
内容を要約すると「シメの数時間」
主役不在のまま突き進んだ「It編」、堂々の完結。
事態の収束をどうするかと思ったら、わずか数時間の出来事で凄まじい勢いで全ての事象を綺麗にたたみきると言う離れ業をみせられて、正直、驚愕! です。
さておき。
読んで半年も寝かせておいたわけですが、それ位置かないと正気にて感想がかけそうに無かったと言うくらいにヴェリーヴェリー素晴らしい作品でした。 はっきり言って短いくっそたれな人生ながら、その内でも五指に入るくらいの読書体験でありました。
まずなんといっても、今まで多作によって培われたキャラの下地、伏線などを完全に一つの頂きとして結実させている点がすばらしい。 よく、「It編からでも大丈夫」というのを見聞きしましたが、はっきり言ってそれではこの感動体験には辿り着けません。 3〜4巻のサクラを見ていないと、この巻での凄み、王としての絶対性を発揮するサクラの凄みは味わえない。 2巻からどんどんと男が上がっていく様を見ないと、脛に傷ある男、謎お起き男海堂のおっさんの凄みは味わえない。 そしてなにより最初の巻から見ていないと、この間の最後で見せる“悪魔のミカタ”としての堂島コウの凄み、その覚悟の凄みは到底味わえないのです。 それほどに今までの積み重ねが効いている。 まさしく「悪魔のミカタ」の一つの到達点なのです。
なので、「悪魔のミカタ」は最初から読みましょう。