感想 川上稔「AHEADシリーズ 終わりのクロニクル4」

内容を要約すると「熱風! 疾風! サンダーフェロウ」
今回は二キャラ同時攻略じゃない二つの世界との交渉を入り混じらせる方法で、その割りには読者としての混乱も少なくきれいに片を付けるという見事な一作となりました。
特に原川とヒオのコンビが「新伯林」のベルガー&ヘイゼルを彷彿とさせて、なんというかたまらない位、いとおしくなりました。 やっぱり「新伯林」が好きだったんだな、と言う感じを思い起こせて大変よかったのでありました。
さておき。
何より見事なのは、登場人物の増加が見える形で有効な力へと変じていく、というのを書ききっていることでしょう。 ほぼ全員に見せ場があるのに冗長な感じは全く無く、少ない出番にもかかわらずきちりと引き立てて見せているというのははっきり常の域を超えておりまする。 作風が固定しているように見えて、まだまだ成長しているのかもしれません。 この先どういう作家になっちゃうんでしょうかねえ。