感想 『EME RED 7』(ISBN:4829118318)

瀧川武司:尾崎弘宣:富士見ファンタジア文庫:520円(税別)>

 内容を要約すると「変奏短編集を二度三度」
 今回も、紅がいろんな人に体を弄ばれる日々(語弊)であります。
 内容で好きなのは、綾小路Ωと“競技”というものの成り立ちを考えさせられる競技をする「コロシアム?」、お前それは無理が無いかな「壱万円からの御奉仕」、漱石文章コピーネタ「吾輩は猫又である」、題名からネタが分かるけれど流れが美しい「時間よ止まれ」、辺りでしょうか。あ、あと当然あとがきも。ディアブロは元はネットゲーですよ!というツッコミも含めてです。
 にしても瀧川さん、短編を書けば書くほど妙な妙味を出すようになりましたなァ。今回はこの人の、夢オチだろうが何だろうが気兼ねなく使うという持ち味を、上手くゲンゲン肩透かしに使った「妖怪退治人」は結構見事だったような。「だっぺ弁」含む。「猫又」もなかなか上手く漱石文章コピーできてましたし、このまま書いていけば、色々変な小説を書いてくれそうな…。高望みかなぁ。