感想 林トモアキ 『ばいおれんす☆まじかる! 〜九重第二の魔法少女』

ばいおれんすまじかる!―九重第二の魔法少女 (角川スニーカー文庫)

ばいおれんすまじかる!―九重第二の魔法少女 (角川スニーカー文庫)

 内容を要約すると「わりにまともな魔法少女物」
 物理的なら『魔法峠』、年なら『奥様は魔法少女』、合ってないなら男の子魔法少女ものと、先人後人あまたある中で、主役に893っ娘という選択をする辺りが林トモアキ流だな、と感嘆させられる作品。昔の学園小説大賞ってこういうのありだったのか……。いや、今でも十二分にフリーダム自由な気もするけど。
 でも、そのキャラ設定のわりに、普通というかそれほど893っぽくない感じがするのは、既に893っぽくなりまくってるリリー(戦闘城砦マスラヲ)とかを見てしまっているからなんでしょうか。デビュー時点で今の雛形が垣間見えると言うか、気を抜くとヒロインがそういう形になってしまう癖というのが見えてゲラゲラ。
 後、散々人口に膾炙している意見としては、ギャグ調が売りのように見えて、気がつくと速攻シリアス化するというか、まだこの頃はギャグ調に慣れてない感じがひしひしと勝手に伝わってきたのが印象的でした。もうちょっとギャグ調がしっかりしないと、シリアスが浮いてしまうと言うかシリアス一辺倒に見えてしまうのかもなあ、とかなんとか。