感想 川崎康宏 『ガッツ&ブラッド 蒸気帝国騒動記』

 内容を要約すると「ま た お ま え ら か !(複数の意味で)」
 いつもの、でいい感じなぐらいに、いつもどおりドミノ倒しで話が進むゴタゴタ話。今回は初手に軽いジャブ的な話(グリフィス家の死神騒動)を入れてくる辺りに、初心者向けを意識したのだろうかという疑念が浮かんだりもしたり。新規読者獲得は大事ですよねっ!
 さておき。
 今回の動乱場所は地理上は前より限定的ながら、ある意味、この作品では究極の場所で行われてしまうので、素直に続編は無いんだろうな、と訓練された川崎康弘ファンとしての本能が勘付いてしまいました。でも、上手くいけば続編できそうにも見えるので、出たらいいなあ、初の二巻越えしたらいいなあ、と思ってもみたり。まあ、今まで続きそうな雰囲気をかもしながらまるで出なかった例は枚挙に暇がありませんが。
 あー。にしても、このゴタゴタドミノ感は凄いように思う。あちこちのグダグダが積もり積もって大爆発へですよ。よくまあ、こんなの書けるよなあ。昔はもう少し硬いというか普通の小説な話書いてたはずなのに、一体どこをどうずれたらこうなるのやら。このパターンがいけると踏んだのか、自然天然にこうなったのか。今後の研究課題です。
 とかなんとか。