感想 野村美月 『“文学少女”と慟哭の巡礼者』

“文学少女”と慟哭の巡礼者 (ファミ通文庫)

“文学少女”と慟哭の巡礼者 (ファミ通文庫)

 内容を要約すると「美羽サマ解体新書」。
 読みはじめるまでに一年くらい掛かったと言う事実に絶望たし!
 それはさておき。
 相変わらず、痛い痛いしい話です。心葉君のトラウマ真直線だけに、今までの中でもトップクラスで痛い。整列すれば、今までの全部トップクラスに痛いとか思いますが、それはそれ。内容は追い詰められると流れに身を任せる傾向のある心葉君でありましたとさ、と言ってしまうと終わってしまいますが。
 それにしても独占欲を突き詰めていって、足までなめさせようとか、美羽サマ凄すぎる。お前は「放課後プレイ」の娘(仮称)さんか! ←分かりづらい喩え。
 それにしても、やはり文学少女時空の強靭さはたまりません。美羽サマが電話越しだけで強敵と認定したのは伊達ではないのだよ! と言うのを直に読者に叩きつけてきます。正直、あのシーンの皆の決意のかっこよさは素晴らしい。痛い痛いだけで終わらず、美しく静謐で、でも真摯な思いを述べる皆が、かっこいいのでした。個人的に竹田さんのが一番心に来るものがありました。後もう少しで終わるシリーズですが、綺麗に終わって欲しい、そして終わった後も力強く進んでもらいたいと、思ったのでありました。