感想 多根清史 『日本を変えた10大ゲーム機』

 ゲーム黎明期から今を、一気に通観した内容。ある程度ゲームの歴史に知悉していると大体こんな感じでいいんじゃないんですか? と言うくらいには妥当な内容。ツッコミ所はあるんだろうけれど、まあ通観したら仕方ないよなあ。とは思う。対象読者がゲーマーではなく、ゲームを良く知らない人向けなので、そっち系の深い話だと思うと足をすくわれます。というかすくわれました。まとめてゲーム業界の流れを見る、と言う機会はそう無いので、その点からしたらそれなりの物だったとは思いますが。
 で、通観しているから色々と早足で、たとえば据え置きと携帯機があまり絡まなかったり、中古とかの話は無かったり、後半につれて、まだ歴史化するには日が浅いものだから仕方ないにしても、挿話がなくなっていったりで、そういう面からすると、やはり物足りなさが付きまとう、という本であります。ただ、前に読んだDS万歳本に比べると、全体に対する目配りはあって、安心感はあります。これに満足せず、より深度の高い歴史に自分からもぐる為の一助、にはなるんじゃないかしらん? そんな感じの本です。