感想 平坂読 『僕は友達が少ない 6』

僕は友達が少ない 6 (MF文庫 J)

僕は友達が少ない 6 (MF文庫 J)

 内容を要約すると、「小鷹の残念力の高まりが見過ごせない事に」。今回で二回ほど株暴落としてるのが小鷹でありまして、今回のメインイベント買い物デート? は皆と約束するというお前ハーレムエンドでも狙っとんのか状態になり、しかし本人はその事に全く気づいてなかったと言う体たらく。それでも皆がまあ仕方ない、と思ってしまうんだから、小鷹の残念ぶりは鰻上りやで…。
 という事で、今回は学園祭に向けて何かしよう話、小鳩の誕生日とその前の買い物がメインと言うかほぼそれで全部載せとなっております。学園祭なにしよう、というのは見事に何もしないでいいや、ってなってしまう辺りの安心感は素晴らしい物がありまして、この辺の志向の残念さがこの小説の基礎であるわけですが、そんな中でも肉が酷い目に合うのはデフォルトというのが酷い話です。夜空の妄言的占いを信じる方がどうなのか、今まで夜空の言動に酷い目に合ってるだろお前! って恫喝もしたくなるところですが、まあ、肉だし。
 誕生日話は買い物は上記の如くどうしようもないですが、誕生日にマリアが小鳩にプレゼントを、というのはまさしくイイハナシダナーでした。この二人にはもう友情が成立してるんではないか、という気がします。ちゃんといいアイテムを選んできているマリアマジいい子。あほの子だけど。まあ、どっちも直接的には隣人部に加入してるわけじゃないから、友情繋がり出来てても問題ないんですけれども。
 さておき。
 先ほど上記でほぼ全て、といいましたが、そういうからには勿論蛇足、ほぼの部分もありまして、それがこの巻の特捜版で付いてきていたドラマCDの原版。これは小編ではありますが、はがないの味わい、というのを見事に濃縮して出しているいい話でした。いい話でしたよ? うん、小鷹がどんどん残念度をいや増していく辺りを除けば。という事で、この巻二度目の株暴落としたのはここであります。残念な部分が無い、ただ気持ちよくプレイする為に残念がそぎ落とされたキャラ、しかし声は隣人部面々、というので化学反応が脳でスパークした小鷹が残念人間度を爆裂しておりました。見た目ヤンキーがギャルゲーで萌え萌えしてるって怖いよなあ。なんか耐性が無かったからあんな事になってしまったのか、あるいは現実が厳しかったのか。とにかく、ここの小鷹は酷かったです。今回の買い物デート(皆で)で最終的にジャージを選択してしまった夜空より、確実にこの小鷹は酷かったと思います。
 うん、やっぱり残念だなあ。