感想 内藤泰弘 『血界戦線』6巻

血界戦線 6 ─人狼大作戦─ (ジャンプコミックス)

血界戦線 6 ─人狼大作戦─ (ジャンプコミックス)

 大体の内容「今回は掘り下げ重点なオムニバス」。ツェッドとザップの確執重点しつつ馬鹿話倍点な『ラン!ランチ!!ラン!!!』、チェインさんの別口のお仕事のお話『人狼大作戦(チェイン・ポッシブル)』、クラウスさんが相変わらずな不器用さの『The Outlaw of Green』の三話収録。一つずつ見て行きましょう。
 『ラン!ランチ!!ラン!!!』はとりあえず昼飯食うのに四苦八苦するという話。ザップがツェッドに対する嫌がらせしていたら、どんどんヘルサレムズ・ロットの飯屋は大体問題ありなのか、という感じに。かといってまともな飯屋かと思ったらいきなり修羅場になるわ、ラーメン屋は大丈夫かと思ったらカチコミしてきた奴ら煮込んでるわ、もうどうなってるのよ、の大盤振る舞い。その仲でも中盤のアレな店は考えてたら大変だけど楽しかったんだろうなあ、と言う位バリエーションが無駄に豊富で一々この街…。と思わされました。その影で逆切れ大騒ぎを企てる勢力に対抗する為に動く面々も挿入されますが、最後は大立ち回りというある意味分かりやすい幕切れで笑いました。阻止の為に意味ありげに進んでたのに! 結局、どこが整備したか分からなかったのは、後の伏線なのかな、とも思いましたが、はてさて。後、オチが一周回って嫌がらせになったというのにも笑いが。あれだけドヤ顔で魚が何食うか知ってますかね?ってしてたのに!
 『人狼大作戦』はチェインさんのもう一つの所属での話。題名が題名なのでスパイ物っぺれえのかなあ、と思ったら結局伝奇だよ! まあ、人狼の設定がもとより無茶なので潜入するのは楽勝ですか、と思ったらそうは問屋が卸さないよ! という事で超鋭敏な感覚、というまた無茶な能力のある設定の奴が出てきますが、こんなのが12人も居るのかよ…。今んとこは他は2人出てるけど。とにかく、その無茶能力に対してチェインさんはネジ飛んでるといわれるレベルで存在を希釈して撃退、というああやっぱりチートってあるなあ、と思ったら存在希釈し過ぎて存在が消える! ってまた凄い話に。その解決が、その、酷い…。褒め言葉的に酷い…。なんでや! スカーフェイス何もしてないやろ! 指令に従っただけで、むしろ恩人やろ! と思いますが、まあ、汚部屋見られるのは嫌ですよね…。
 『The Outlaw of Green』はクラウスさん大暴れですが、それよりも話としては任侠の話。クラウスのした事は結局意味は無いような気もするんです。キリシマさん達の路線はどの道拡大傾向になるだろうし。足抜けするかどうかも微妙です。それでいいのだろうか、とか思ってしまいますが、今回の事で更に悔いたキリシマさんがどうするか、でもあるので、ここは未来を明るいものだと思いたいところです。っても、いつも無茶するとは知っていますが、一人でヤクザぶっ潰すとか無茶もいい所ですよね、クラウスさん。ヘルサレムズ・ロットで成り立ってるヤクザだから、相当なものなのに。でも、なんとかしちゃうという筋の通し方をする人ですからね…。
 とかなんとか。