ネタバレ感想 内藤泰弘 『血界戦線 Back 2 Back』4巻


血界戦線 Back 2 Back 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

大体の内容「怒れるマーマン、他2本」。ということで、アニメの方も絶賛絶賛中の『血界戦線 B2B』、第4巻であります。今回は三本立て。ヤバい薬と怒れるツェッドさんのお話、駄目人間ザップの駄目なんだけど男気なお話。と二本はまだこういう振れ幅もあるなあ、くらいなんですが、それを一気に忘却の彼方へちゃぶ台返すのが『V・次元血統』なのです。今回はそれについてたらたらと書いていきたいと思います。この話の前には、その前の二本は前座でしかありませんのことよ!
このままでは『V・次元血統』がどういうお話か、ここで一度整理しますと、第3巻で鳴り物入りで出てきたかじゃねえ、無印7巻で出てきて、B2Bの3巻で再登場! と思ったらあっさり死亡した次元怪盗ヴェネーノの血統のお話です。その血統がどういうものか、というのが肝でありまして、ではそれはどういうものか、というと次元を断ち切る刀<無銘>がヴェネーノの一族に連なっている、というものでありました。
意味がいまいち通じてないと思うので、もうちょい砕いて言うと、ヴェネーノの血筋は、<無銘>とそれが繋ぐ時空の出入り口だという事です。ヴェネーノは死にましたが、<無銘>は警察の手から忽然と消え、そしてヴェネーノの娘ヴェネランダに<無銘>は引き継がれます。そしてVの家系の誰かが次元の彼方へ行き、帰ってきて生まれたと警部が述べた次元刀<無銘>の旅はこれからも続く、という〆にもっていかれるんですが、なんかまた種まいているけど、回収できるんですかねえ! という思いを図らずも持ってしまいます。K.K.姐さん参観日回の血族とかもどうなるんですかねえ! そっちも気になっているんですよ!
しかし、どっかで結実しなくても、この話はこれで終わりでも、それはそれでありかもしれないという思いもまた、図らずも浮かび上がってきます。最早元の世界に戻ることはないだろう、ヘルサレムズ・ロットでありますから、その中で解決しない話が合っても、またいつかどこかで、知らない所で終わっているかもしれない。それもまたありなのでは? という完全に調教された者特有の思考ムーブをしてしまいます。ありじゃねえよ。
さておき。
それにしても<次元刀>という概念は伝奇では必須事項ではないか、と錯覚させられるくらい次元刀というのはいいものです。次元が切れたら、そりゃなんだって切れる、という強攻撃ムーブですからね。個人的には漫画版『魔界都市新宿』の次元刀がダイナミックで好きですが、それが手持ちサイズに、というのは本当にオーバーテクノロジー、いやオーバーオカルトロジー? まあとにかく無茶なことであるかと思います。それに説得力をもたらすのが、『V・次元血統』の、血統と言う骨子とは違う、もう一つの骨子であります。それが特異であることを、きっちり描いた回だったのです。ってもここまで積み上げておいて、このまま放置とかになったらおいぃぃぃぃ! ネタ出しただけかよおおお! って阪口声でつっこまないといけないんですが、上記の通りそれはそれでありかもしれないまであるので、でもやっぱりちゃんと話に絡んで欲しいですよ! ここまで積み上げたじゃない!
というか、次元刀<無銘>と共に次元刀法の神髄も娘に移譲! そして強敵を瞬殺! ってそれだけで爆アガりするシークエンスで、そこだけでも本当にありがとうございました。としか言えないレベルでアガりました。何が何だか分からないのはいつものことだけど、今回は切断が入っているから分かりにくい中にも分かりやすいものでしたしね! というか女の子が刀で無双って俺も大好きです! その上その刀が次元刀! 最高か! これが今後出番がないとかほんと止めてください! もっと活躍見たいです!
とかまとまらないままでなんとか。