ネタバレ感想 殆ど死んでいる 『異世界おじさん』2巻

異世界おじさん 2 (MFC)
異世界おじさん 2 (MFC)

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 大体の内容。「何故だ!(剣崎声で)」。おじさんの家系は鈍感力の巣窟なのか・・・? という相変わらずヒロインに対する扱いが酷いのが『異世界おじさん』なのです。
 1巻感想でアスカ通ってないのかよ! とか書いてましたが、読み直したら通ってあれだった、という事実が今回も重くのしかかってきます。エルフのお姉さんに対する扱いもそうですが、凍神剣のメイベルさんに対してもかなりアレなムーブを、この巻で見せつけてくれます。というか、やったことがまたレアな指輪を送るというもので、何故その意味が分からない!? 何故だ!? と言いたくもなろうものです。ここまで鈍感力が高いとむしろそれは我々の持つものとは何か違う、ある種高等ムーブの一環なのでは? という疑念すら抱いてしまうのですが、でもここはオッカムの剃刀導入で単に気づいてないでいい気もします。分かってないって残酷。そう言うことでしょうか。
 え? メイベルさんはそのアイテムプレゼントの後どうなったかって? あまりに短時間で色々起こったのでかいつまんで言いますが、押し倒されたところをエルフのお姉さんに発見され、その後おじさんが凍結地獄でした。ほ、本当なんだ! 俺は嘘はついちゃいねえ!
 さておき。
 おじさんの鈍感力の暴力は今に始まったことではない、にしてももうちょっとこうなんというか、手心をというか、とにかく今更それが酷いというのは読者側のコンセンサスとしてはあるのですが、今回は藤宮さんに対するたかふみさんの鈍感力がクローズアップされてきます。藤宮さんがたかふみさんに気がある、というのはあの鈍感力のおじさんですら気づくレベルなのですが、何故かたかふみさんはそこを凄まじい豪胆さ、としか言えない、もので全潰しにかかります。色々あってシャワーを借りることになった藤宮さんにおじさんが狙って2時間ほど留守にすると宣言。そこにたかふみさんが帰ってきてもう後は分かるな?
 なのですが、ここでたかふみさんが旗という通信手段でおじさんを強制帰還させ、更に藤宮さんの風呂上りを見た事、その記憶を消してくれ、と言い出します。ユウジョウ! の為ですが、当の藤宮さんはそうじゃねえだろ! と食って掛かってもう大変。この後記憶はおそらく消されたのだろうなあ、という余韻でその話は締めとなります。が、そうじゃねえだろ! たかふみさん友情に厚いにも程があるだろ! 第一印象の為にそういう対象に見られてない、という江西陀・志熊現象ですよ! おじさんがちゃんと言わないとおそらく永遠にこのまま! 誰か彼女を助けてあげて! エロ漫画媚薬に手を出しそうな彼女を、藤宮さんを!
 さておき。
 1巻の時点でもだいぶコアなSEGA者だったおじさんですが、ドリームキャストという情報が無い為にメガドライブに回帰し始めました。というより、そもそもおじさんはメガドライバー。サターンがあってもメガドライブをするという硬派というか単にエイリアンソルジャークリアに青春を捧げ過ぎたというか、とにかく思い入れの強いハードがメガドライブの模様です。その青春のゲームたちを、高い金を払って手に入れているのは正直いいものだなあ、と。埋められない時間を埋め直す、というのはなんか癒しを感じます。まあ、エイリアンソルジャーが3万、ゴールデンアックスが3作合わせて1万、そしてサターンだけど心霊呪殺師太郎丸が8万と、分からない人からするとファッ!? な文字列が並んでそりゃたかふみさん怒るわ案件でしたが。いやいや、そもそも太郎丸8万ってそれマ!? テンゲン最後のゲームとして名高いですが、そこまでするの!? ぼったくりちゃう!? とも思ったりも。言いつつも、微妙にいい値付けというか、レア度合いを勘案すると今ならそれくらい、……でもやっぱちょっと高くね?
 というのはさておき、この巻における連載分の末尾のところのぶっこみ具合はヤバいですね。という話をします。
 そもそもの話、おじさんの異世界に行ったことはよくある形でしたが、さてどうやって帰ってきたのか、という部分が不明確なままです。しかし、そこに思考の一助になる情報が舞い込みました。それは、メイベルさんの血統が、日本から異世界に行った人の末裔という話です。つまり、結構あちらの世界に日本から人が行っている可能性があり、同時に帰ってきている可能性もあるのでは? とワタクシ勝手に思ってみたりします。更にあるいは、そう言う人は今までおらず、おじさんだけが、という可能性もあります。どっちにしろ、おじさんが帰ってこれた理由がその辺りに眠っているのでは? という風です。その辺が明かされるという気もしますが、でもこのままおじさんがのんびりYoutuberしているのもいいのかもなあ、という謎の立ち位置に移動して、この感想を終えたいと思います。