ネタバレ?感想 高橋慶太郎 『デストロ016』3巻

デストロ016(3) (サンデーGXコミックス)
デストロ016(3) (サンデーGXコミックス)

 大体の内容「男が、死なない!?」。と、某スノートの松田声が出るくらい、男の死亡率が低い巻なのが『デストロ016』3巻なのです。
 この、男が死なない、というのが如何にでかいことかというのを声を大にして言いますと、前作『デストロ246』ではとりあえず男が出てきたらそいつは死ぬ、というのが徹底されていて、最終的にちょっと顔の出た男は全員死にました。嘘偽りなく死亡率100%だったので、今回死なない男が出てきます。仙崎さんの秘書官も男ですし、2巻で助けた尉官も男だったので、それが全然死ななかった、というのは本当に正直、驚愕! なのです。
 そうはいっても、46でも中々死ななかった男はいたので、その人たちもいずれ死ぬのかもしれません。ですがどう見てもこいつここで死なんの!? みたいな人が出てきて、死なない!? と驚いてしまったのです。そんな事態がこの漫画にはあり得るのか!? というのですよ。どういうタイプの信頼をこの漫画に持っていたんだろう……。
 ですが、男が全員死なない、ということはなく、ちょっとでもカス野郎だと異次元の速度で死にます。本当に気づいたら死んでいるので、その男キャラへの殺意はより先鋭化していると言えます。本当に胸糞展開の次のコマで死んでいるので、読者のヘイト管理以前に作者のヘイト管理が卓越しています。自分のヘイトを自分で解消するな。
 という訳で、男がいきなり死なないのでびっくりした、という導入ですが、お話の方は万両苺のとこのシノギの問題を亜音速で解決して、殺すやつを殺して、そっちはエンド! 次の話に行くよ! と素早く展開されます。帯の背表紙の方の後の内容が一瞬で終わるので笑いました。あれだけ意味深に書いておいて、実際の展開これくらいかよ! いいのか!
 いいんです。そういうのだからこの漫画好きなんです。
 さておき、今回のメインは百舌さんとの台風ど最中の乱痴気バトル! 台風の荒波の中、水上バイクで追いかけっこ! ここであまりに風雨と波が激しくて銃の弾が威力をなさない! というので、女の子を殺すのは嫌だ! という神=高橋慶太郎のご意思が強すぎます。でも、これマ? ではありますが、さてどうなんだろう。実際にそういう話があるのだろうか。違うとしてもなんか納得は出来る描写なのが小憎らしい。この辺は台風の風雨と波をよく知っている民族だから通じるネタのような気もします。そういうのがないとこだとどういうことだよー!? ってなりそうですね。
 さておき。
 サキを子飼いにしている仙崎さん、サキが結構好き嫌いで殺す殺さないしているのを、咎めるのではなく推奨しているのが、この巻では印象的です。246でもわりと殺す殺さないが自由にしてた感じがはありましたが、その源流がここ、というのでなんか感慨深いものがありました。人を殺す殺さないを適宜決めていくというのを推奨する、というのはかなり倫理的にアレですが、そんな中でも筋というか、趣味を通すことを是とするのはなんか殺し屋としてのメンタルに対していい影響があるのかしら? となります。殺し屋としてのメンタルにいい影響、って書くとなんかかなりアレなんですが、そういう話だからなこれ……。その辺がこの漫画の特異な点よね。
 さておき。
 中国の方の情報局のえらいさんがやってきた! 仙崎さんを殺る為に挑発をかけてきて、さて仙崎さん生きて帰れるか。サキは守れるのか。というかそんなのを日本でやって大丈夫か? 凄い鉄火場になりそうな雰囲気の中、4巻へと橋渡し。さて、どうなる。
 と書いて今回はここまで。したらな!