感想 殆ど死んでいる 『異世界おじさん』4巻

異世界おじさん 4 (MFC)
異世界おじさん 4 (MFC)

 大体の内容「メガドラミニが欲しくなってきた……!」。というおじさんだからしょうがないな、なメガドラミニ回がある巻。それが『異世界おじさん』4巻なのです。
 そっちのディープ具合はまた後でということで、今回の巻はどうなっているか、という話から入りましょう。3巻末で勇者と出会うことになったおじさんですが、その勇者、というのがまだまだ駆け出しの冒険者。その冒険を手伝ったり、手伝った記憶を消したりしつつも、おじさんとしては釈然としないことが、というので勇者認定したところに行ってみると、色々と打算含みの勇者認定だった、というのが分かり……。という展開をしていきます。
 ここで、倫理観無双するか、と思われたおじさんでしたが、基本的に陰キャなおじさんがそれを? というと成程、な展開になってしまいます。まあ、人生経験が17年くらいの人がそこで言い出せるわけないわな、と思ったらもう一段、謎の変身から倫理観無双を越えた何かが行われていきます。これは、倫理観とかそういうのじゃない! というくらいあれげな世界が始まってしまうのです。
 それはさておき、その打算含みの騎士団には、なんとメイベルさんが! というのも挟まって、話がこんがらがっていきます。というか、メイベルさん、路頭に迷ってたのか……。というネタも繰り出されつつ、おじさん対メイベルさん、というカードが見られる、そう考えていた時期が俺にもありました。そこをきっちり幻影だ、で亜脱臼してくるのがこの漫画だよなあ、とも思います。ガチバトルものにはそうならんはな。そう言うとこ好き。で、その後、メイベルさんが騎士団追放の憂き目に遭うのですがそれはまた別の話。
 さておき。
 展開的に、今までは色んなタイミングを、だったのが徐々に時系列に沿って、になりつつあるような感じの、おじさんの異世界生活。まだまだこんなもんじゃねえんだぞ? というのが、おじさんの良い方だなとか言う台詞から分かってきますが、このまま行くとどんだけ辛い目に遭ったんだよ、という話とか超えぐそうで、その点で戦々恐々というか、この漫画がそこまでいく可能性が出てきているのが怖いです。どんだけ後ろ暗い話になるんだろう……。その一角としてか、今回のメインの話の最後で、変身したまま竜になりかけてた、という地味にきつい話も出てきます。そこをどうにかするのが、ツンデレエルフさん! というのを見せつつ、今回のメインストーリーは終了します。やっぱりツンデレエルフさんはいいとこで出るなあ!
 さておき。
 今回の巻の真のメインは、メガドラミニ紹介回です。異論は認めますが、ここではメガドラミニ回がメインだということで話を進めます。
 で、おじさんがメガドラミニについて語りますが、その最初はコントローラーについて、というのでもうガチガチぷりが極まっております。ガチ勢はどこからでも語れる、という証左として残しておきたい案件です。
 その後、収録ゲームの話などもしつつ、メガドラミニ紹介回は続いていきますが、しかしおじさん、ちょっとエロい感じのパケだと手が出なかった、『ぷよぷよ』ですら無理だった、というので純情かよ! と叫びたくなりましたよ。でも、その気持ちは凄い分かる。恥ずかしいってあるよね。『ぷよぷよ』まで駄目だと流石に、ですけども。
 おじさんのメガドラミニ語りは更に続き、メガドラミニの為だけに作られた『ダライアス』とMD版『テトリス』の話などもされていきます。どちらも本当のメガドラには色々あって出なかったものを、というだけで、メガドラミニの、というかSEGAのガチ感が伝わってきます。
 それにしても、この販促回は良過ぎます。メガドラミニ買うか……ってなりますからね。やや邦キチの類のプレゼンというか、熱意がおかしいので、若干引きつつも気にはなる、というタイプのプレゼンでした。というか、今普通の出揃えると40万くらいする、というのだけであれ、欲しいかも。となるので現金だというべきでしょうか。
 ということで、気が付いたらメガドラミニ回の記憶だけがやたら残る、というこの漫画らしいというべき状態になっているのが、『異世界おじさん』4巻なのでした。