感想 邪武丸 『化け猫システム』1巻

 大体の内容「猫、猫、化け猫!」。白峰まなさんは引っ込み思案系眼鏡っ娘。その引っ込み思案+飼い猫のさすけが突如ちっさいながら人の姿に! というので街中の難関高受験に失敗! そこで、母親(眼鏡巨乳。重要!)の昔通っていたという田舎の高校へと行く為、早苗郷へとやって来る事に。しかし、その郷ではなんと猫がしゃべっている!? 後、さすけよりちゃんと人の姿をした猫っぽいのが!? という事で異郷でまなさんが展開の急変に四苦八苦しながら、どうにかなっていくのかなあ、と言う漫画。それが『化け猫システム』なのです。
 この巻範囲内では展開的にまだ最序盤なので、上記のように、のかなあ、という仄かな道行しか見えません。これをどう取るかで、あるいはどう取られるかで今後がしっかり決まってきそうですが、ワタクシ邪せんせはこの漫画が初めてな上に他の漫画における評判も全く知らない状態でありまして、つまりこのままゆったりとした展開、まなさんの引っ込み思案を優しくほぐしていく展開になるか、それとも、そこをガツンだ! するようなきつい展開になるのかが全く分からず、それだけで邪せんせおっかねえ……、邪せんせ信用できねえ! と完全に思い込みで怖気震う状態にあったりします。それなら調べろよ、という向きもございましょうが、あんまり余計な情報いれてこの優しい空気を疑心暗鬼するのもそれはそれできついのですよ。それだけ、作者の指先一つで(こちらがSHOCKで)ダウンさー、という状況もありえる、そういう素地がある漫画なのです。これはたぶんに杞憂でありますが、それでもどうなるかは余人には及びもつかないのであり、そこに警戒してしておくのもまた、現代漫画における基礎的な心構えなのです。
 という訳の分からない考えをぶっぱしましたが、そうはいってもこの漫画は基本的には優しいであります。まなさんのお母さま(眼鏡巨乳。眼鏡巨乳。重要なので二回言いました。)も優しいし、早苗郷での保護者さんとそのパートナーな化け猫も優しいし、最初の友達も片方ヤンデレ要素持ちだけど優しいし、猫も優しいし、そも、飼い猫たる化け猫なさすけも優しいしで、優しいオーバードースですよ。優しいって大変重要な要素だなー、と思わされますが、この優しさの満ち溢れから余計にそれが無い場合を考えてしまって欝るんですけれども。これが失われたら……。現実なんてクソゲーだ! と下野声のかみにーさまという憤りが発露してしまいそうですが、だからそれは杞憂なんだってば! と思われましょうが、それでも警戒心が、解けないんです……。
 さておき。
 1巻目というのと、進行がゆっくりしているのも相まって、まなさんがてんやわんやするばかりの展開ですが、それはそれでゆっくりとこの漫画の世界に馴染めるといえばそう言えない事も無く、ついでにまなさんが可愛いなあ出来る時間が伸びるという事でもあり、まなさんのパーソナリティに馴染む、あるいは慣れるにも必要な時間であるのかなあ、という感じに思っていますが、いや、やっぱりちょっとスローペースなのではとも思ったりも。こんなにゆっくりで大丈夫なのかなあ。この漫画として描きたい部分は、漫画すれしてるから大体見当はつくけど、そこまで巻数を重ねられるのかどうか……。内容的にもちょっとまなさんが引っ込み思案過ぎるのでハラハラしますけど、連載の維持とかの方にもハラハラします。上手く行けばいい作品になれそうだけどなあ、どうなのかなあ。
 まなさん自体は、奥手眼鏡っ子という王道であり、それが仕草に台詞にとしっかり出ていてレベル高いなあ、とは思うんですけど、逆に引っ込み思案過ぎて引っ張る人の存在がもうちょい居るような気もしました。さすけはその役だし、友達になった井伊さんもその役だけど、それ以上に引っ込み思案力高い気がするんですよね、まなさん。それがどうにかなっていくかがこの漫画の肝であるんだろうとは、邪推出来ますが、それだとやっぱりそうそう改善されないという訳で……。大丈夫なのかなあ……。
 とかなんとか杞憂に杞憂を重ねるのでした。