感想  『桜Trick アンソロジーコミック』1巻

桜Trickアンソロジーコミック (1) (まんがタイムKRコミックス)

桜Trickアンソロジーコミック (1) (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容もなにもアンソロジーじゃないですかやだー! まんがタイムきらら系列の慣例であるアニメ化したらのアンソロジーですが、全体的に『桜Trick』の要諦、つまりキスをきっちりと誰もが仕込んでくる為、きらら誌での連載がある人のキスシーンががっつり見れる、という見方も可能なアンソロジーであります。その中で三つほどピックアップしましょう。

筋肉☆太郎『美里西高校七不思議』

 アンソロジーというものには振れ幅として破壊者が必要である、というわてくしの持論にドンピシャだぜ! するのが筋肉☆太郎せんせのこの漫画。春香さん達が七不思議を追う内に、その怪異が春香さんと優さんのキス時に起きていた! というのでどんどんエクストリームキスシーンとエクストリーム悶絶が描かれます。春香さんの悶絶っぷりはちょっと度が過ぎてるし、階段の一段になってるとこは正気じゃねえ感じがとんでもないですね。どこで仕入れたその箱。でも、『桜Trick』としてきっちりとキスシーンを入れてくる、ちゃんとこそばゆい甘い雰囲気も出す、というのは流石に百合物、ただし最終回は21コマ連続即応ツッコミだった『スマイル・スタイル』の筋肉☆太郎せんせではありません。たまに変な顔とかありますけど、可愛い顔とかもちゃんと出来るというのが、ここにつまびらかにされます。基本的に上手いんですよね。破壊者だけど。

あfろ『桜Dream』

 開幕から夢オチを想像させる題名ですが、その予想は全く外れません。が、便利な言葉だよ夢オチって! と言う位に謎のゲーム感な夢であります。美月さんにバレてキス禁止!という原作であった部分の新解釈としてとはいえ、もうちょっとましな夢は見れなかったのか。というかなんだ投げキッスでゲージが、って。というかゲージて。何ゲージなんだよ。そしてどんどんキスしろ! が無茶ぶりになってそしてカオスになっていく夢。夢オチだと分かっているのになんだこれとしか言いようのないテンションでたたきつけられます。実際問題、この漫画だけキスシーンが無いという事実も全く気付かないままに、テンション高いまま終わられるので大変どうしようって気持ちになります。爆発オチだしね。いやあ、流石あfろせんせだな!←結局

ぼるぴっか『風邪ひいちゃった』

 この漫画は非常にオーソドックスで、『桜Trick』本編でこの流れになっても何もおかしくないくらいのトーンで春香さんと優さんのキスが描かれます。春香さんの実際ちょっとやばいとこも、優さんのお子様っぽいとこもちゃんと描きつつ、のどあめという道具を使った濃厚なキスシーンも描いており、ある意味ぼるぴっかせんせの面目躍如甚だしい出来であります。というか、のどあめを今後エロい目以外で見る事が出来そうにないから困る、というくらいにエロいんですよ。エロいんですよこの漫画は! ある意味、もっともこのアンソロジーの意味を感じさせる作品でした。

まとめると

 全体的に色んな作家さんのキスシーンが見れる、という意味では、このまま回を重ねていくと、更に色んな作家さんのキスシーンが見れるとなる訳で、そういう意味では結構面白いアンソロジーシリーズになりえるなあ、と思うんですが、さてどうなるやら。