感想 黒田bb 『Aチャンネル』6巻

Aチャンネル （6） (まんがタイムＫＲコミックス)

　大体の内容「皆色々みそめられてる！？」。ある意味いつものギャグ主体の『Aチャンネル』節全開な6巻ですが、所々でそれが崩れるようなフリも見せるのが、『Aチャンネル』6巻なのです。
　『Aチャンネル』のノリというのは小さめのボケを主体とする手数スタイルですが、それ故なのか時間はくるくると回り、でも人間関係は進展している部分もある、という所作になっております。それが今回崩れるようなそぶりを見せる訳ですよ。その大きな要因として、三つがあります。一つがトオルンが告白される件。一つがユー子がモデルスカウトされる話。最後の一つが鬼頭先生がお見合いをする事であります。これらが、この漫画の根底を覆すか、と思える働きをします。
　トオルンが告白される件については、噂があって、それが実際その通りで、ラブレターが届く、という展開。相手あんまり知らないけど、どうするんだろう。というのが周りにあって、周りがざわめく形になっておりました。特にるんちゃんがあんまり見ないぽけーとした顔になっていたのが印象的です。なんだか自分達だけのトオルンじゃなくなるようで、って言ってましたが、トオルンがよくよく考えるとるんちゃんも告白されてたじゃん！　ってのを思い出した辺りで、きっちりるんちゃんらしいオチがつくのがこの漫画らしいです。
　ユー子のモデルスカウトの話は、ユー子も動揺がありますがそれ以上にけーちゃんが動揺してて、自分のユーちゃんじゃなくなるけどモデルのユーちゃんも見たかった！　と懊悩していたのが印象的です。どこまでシスコンなんですかけーちゃん。周りのいつもの面々はモデル歩きの話したりで盛り上がってたのも印象的です。どこまで楽しむんですかあんた達。
　鬼頭先生がお見合いをする事の次第は、何の因果か佐藤先生とのお見合いということで大変ニヤニヤ出来ました。鬼頭佐藤のカップリングスキーなので。ちょっと見かっこいいじゃない、ってなってる鬼頭先生やっぱり脈ありますヨネ。口を開けば喧嘩する間柄だし、基本的にセンスが合わないとはいえ。口喧嘩も遠めからは仲良くなってる、って思われてたし。このまま公認カップリングになってもらいたいです。
　さておき。
　こういう風にちょっと今までとは筋が違う方向性を見せていながらも、でも結局『Aチャンネル』節の中に収まっているのが、今回の巻の大きな特徴な訳ですよ。今までのノリ、崩れるか！？　でギリギリ崩れない辺り、『Aチャンネル』節の足腰の強さは相当なものがあるのが分かるかと思います。
　そんな6巻ですが、いつものノリのも当然あります。色々あるんですが、子供用プール回が個人的にはるんちゃんのお母さんのバブみがすこぶる高いと言うか、オギャれるというか、最高に尊いんです。ハワイに行きたい！　って言いだしたるんちゃんに対して提示したのが子供用プールにハワイと書くという斜め上。流石るんちゃんのお母さん！　その発想はなかった！　と感心した次第です。ついでに、最後の方で今までるんちゃんが遠地に行きたいと言った時にも同じことをしていたのが発覚して更に。るんちゃん全く覚えてない！　流石！　そういう所とか、プールに色々ぶっ込み過ぎて立錐の余地もないとかがやっぱり『Aチャンネル』だなー、って感想を覚えるのでありました。