感想 春日歩 『城下町のダンデライオン』3巻

 大体の内容「選挙戦! という程激しくはないのだけれど」。今回の巻は選挙戦が本格的になってきて、その中で選挙に出る者出ない者が分かれ始めた巻なのが、『城下町のダンデライオン』3巻なのです。
 今回の脱落者は光さんと岬さん。光さんはアイドルとしてやっていく内にアイドルであることが好きになって、それを継承者選挙に向けてするのは違う、と感じたから、というのが結構反射で生きてる感じがあった光さんがアイドルをすることでしっかり成長していたのが分かるのがいいですね。
 対して岬さんは自分が王位継承権を争っていたのはある意味遥の為だった、と気付いた故に、今回で降りる決心をするのですが、その影響で遥がクローズアップされたり。いいお兄さんめいたところありますよね、遥。本人はそういうのダルそうな感じですけども。
 その一方で、選挙戦を一回脱落? と思ったけどまだ戦うつもりな人もいます。奏さんです。今回、能力のツケがどういうものか、そして何故選挙戦に積極的なのか、という部分が開陳されます。それが、修の足がどうなっているのか、という話。基本的に歩く程度しか出来ないっぽいというその怪我の要因が、奏さんの能力のツケで起きた事故だった。それゆえにその贖罪として、王になる! と意固地になっていた、その部分を修が解きほぐす回、だったけど、やっぱり王様にはなる。というのは変わらなかったんですね。その辺はちょっとらしいとも。ちゃんとやる気があるというのは重要です。なし崩しでやる感じの茜さんよりずっといい。でも、茜さんはどういう風になるんだろうかなあ。
 そう言うことはさておき。
 今回は花さんプチフィーバーだったのも特筆すべき点ですね。修とのデート回と、櫻田家来訪回で大変目立っておられました。デート回はいい雰囲気の中、修がとうとう告白してプロポーズしちゃうというので、印象が強いですし、櫻田家来訪回は奏さんがあっさり陥落してて花さんパワーを感じたりするのも良かったです。花さんは大変好感度が高いお人ですが、この巻で更にそれがブーストした感じです。修は本当にきっちりと花さんを幸せにしてあげないといけませんヨネ。
 さておき。
 デート回でちまっと話題になってましたが、今回の巻では櫻田パパと櫻田ママの馴れ初めもあったり。ちょっと変な出会いの二人が、その後どうなって付き合って結婚まで行ったのか、というのは語られなさそうだけど、とても気になる所なので、またぽつりとやってほしいなあ、とも思います。櫻田家で恋話があるのが修だけなので、他の子達がそういうのが出始めたらまたあるのかもなあ。あの出会いであの流れでどこをどうして結婚まで……。気になりますよ。昔のママンは結構変わり者みたいだったしなあ。
 とかなんとか。