感想 たちつてつこ 『カスタムメイド!』1巻


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カスタムメイド! 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容「主人とメイドの相思相愛だだ漏れ」。鳳ユウさん、高校一年生。家は由緒ある家系で大金持ち。当然メイドもたくさんいる中、ユウさんはオタ趣味をひた隠しにしていて、いままで側付きのメイドは辞退してきた、のだけどいい加減お年頃なので、その辺りもちゃんとしないと、となってやってきたメイドのマサキさん(わりと年齢不詳)。最初はへっぽこメイドだった彼女ですが、実は一夜漬けすれば大体のことはすぐにこなせると言うスーパーメイドで、更にユウさんがもっている同人誌の作者がマサキさんで……。というのでオタネタで行くのかと思ったら普通に主人とメイド物として立ち上がっているのが、『カスタムメイド!』なのです。
 この漫画は大変優しく出来ております。絵柄も可愛らしく、起きる事象も微笑ましい。ユウさんとマサキさんの仲も急速に進んで仲よろしおますなあ。というので大変棘の少ない作品であります。この優しさというのが、特にユウさんの学校の周りの人達のユウさんへの接し方。ユウさんは高校生だけど小さく可愛らしい容姿、というのがあって、周りからは可愛いなあ、という目で見られていましたが、ここにマサキさんが高校生として入ってくることによって、その関係性にも変化が、周りからとても可愛いなあ、という目で見られるようになって、ついでにマサキさんがきたことでより自立した行動をし始めるのがあって更に可愛いなあ、されるのでありました。本当にユウさんの行動が子供っぽくて可愛らしく、でも自立した高校生として頑張ってるとこもあってでもそれがやっぱり可愛くて、という学校の人達がユウさんを愛でる精神を持っていたのもうなずける可愛らしさなのです。それがオタ友とも言えるマサキさんが近侍になったことで、オタ方向でも色々としたいことが出来るようになって、というので今回の巻最大の可愛らしさであるハンバーガーショップに行ってみよう回に繋がっていきます。子供用のアイテムが付いてるのを買おうとして子供じゃない! というので失敗するとか、代わりにマサキさんが買いに行ったらマサキさんがお母さんに思われてとか、で、食べ始めたりするとやっぱりいい親子に見られるという微笑ましさが素晴らしい。変に強烈なパンチはないけど、こういう優しく可愛いを積み重ねる判定狙いな狡知とも言える戦法、嫌いじゃないわ!
 さておき。
 他にも微笑ましい回はありますのでその話でもガツガツしましょうか。ユウさんが自販機で飲み物買ってくる、というだけの回がそれですよ。本当にそれだけで十分な楽しさ、起伏、可愛らしさが溢れており、この巻の最大のゲインであるのは間違いありません。自分で行こうとしているのを成長だ! と見つつ、どういう可愛い行動になるだろうとつけていくマサキさんと学友達の姿が大変印象的です。俺もその場に居たいくらい、確かにそれは見たい。そして最初は調理実習室でクッキー作ってる人に捕まり、食べてたら時間切れ。というのでもう十分可愛いんですが、二度目の自販機行は途中の学食を耐えてついたけど、身長が届かない! というので箒使ったりしたものの失敗。ブラックコーヒーでうむぅ、としているのも可愛い。で、三度目の正直、と思ったらマサキさんが足場を用意していて、最終的にそれを使って、やった! ってなったユウさんの姿は本当につけてみたいくらい可愛らしかったったです。なんでこう、はじめてのおつかいめいているのかは分かりませんが。ああいうのも、こういう見守りたい気持ちがあるってことか。ポイントシール集めてる、というので皆が集めてくれた辺り、ユウさんに対する皆の見守りたい度合いが高いのだなあ、と思うのでありました。いやあ、可愛い漫画だ。