感想 クリスタルな洋介 『お酒は夫婦になってから』2巻


クリスタルな洋介 お酒は夫婦になってから(2)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

 大体の内容「可愛い酔っ払いは好きです。でも可愛い酔っ払いはもっと好きです」。今回もそんな可愛い酔っ払いがいるか! というのに、いて、何が悪い! と開き直り全開でお送りされる酔っ払い甘々漫画。それが『お酒は夫婦になってから』なのです。
 という訳で、今巻もちーちゃんさんがすこぶる可愛いこの漫画ですが、本当にちーちゃんさんとソラさんが酔っぱらってからの甘々しているだけで満足できてしまうから困ります。やってることはちーちゃんさんが可愛い、酔っ払い可愛い、というのを存分に引き出すだけとは言えるんですが、そのレパートリーが今のところは、ですが凝っているのが良いですよ。ただの生活が面白いのか? というのは日常系ではまれによくある意見ですが、それについては面白いに決まってんだろ! という例としてこの漫画は上げられるだろう。そういう意見すら個人的には持っています。どこからでもシームレスに飲ませることが出来るぜヒャッハー! とヒャッハーってるクリスタルな洋介せんせの姿が垣間見えさえします。この巻ですと梨のカクテルの回の、ちーちゃんさんの家事スキルの無さで実家から送られてきた梨が! というのをソラさんがきっちりとカクテルに昇華する辺りが大変美味い流れでありました。こういうところをきっちり決める事が出来るのが、日常系には必須なスキルではないかと、愚考致します。
 さておき。
 この漫画の肝はちーちゃんさんがソラさんの作るお酒で酔っ払って甘える、というのともう一つ裏面として、仕事上の付き合いの人にはこんな体たらくは見せられない、というのがあります。ソラさんは常々可愛いから出していいのに、と言ってますが、ちーちゃんさんは頑なになっていたり。しかし、その裏面もこのままでははがれるのでは? というのがこの巻では仄かに立ち上がってきました。同僚に飲みに誘われる場面が多かったのです。そこでは当然ソフトドリンクで乗り切る訳ですが、でも相手は酒飲んで前後不覚、まではいかないけど結構べろんべろんで、それで自分の気持ちを吐露してくるのです。それに対して、ちーちゃんさんはまだ壁を持っている、自分の素の酔っ払い姿は見せられない、としている。ここんとこが以降ネックとして立ち上がってくるのではないか、という気がしていたり。壁作るな! って怒られたり、あるいは自分で壁作ってる! ってなるのかなあ、とか思ってみたりします。1巻でも書きましたが、いつかこの酔っ払い姿を、ソラさん以外でもさらす日が来るのかしら、というのが、この漫画のキーでありそうです。