感想 黒田bb 『Aチャンネル』8巻


Aチャンネル 8巻 (まんがタイムKRコミックス)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

 大体の内容「チャンネルはそのまま!」。ということで今回も女の子が若干の傾斜をもった形で戯れる漫画。それが『Aチャンネル』なのです。
 8巻ともなりますと内容に関しては重複するようなこともありやなしや、という形になりやすいものですが、『Aチャンネル』はそんなことは全くございません。他のきららの系統ともそういうのが全くない辺り、本当に出来ておる喃……。という言葉が出てこようかと思います。そんな『Aチャンネル』は今回も可愛いとかっ飛ばしの混交を見せつけてぶっ飛ばしてくれます。
 特に今回は珍しく二回でワンセットの回とか、ユタカとるんちゃんの悪魔的邂逅とか、佐藤先生と鬼頭先生がとうとうとか、ちょっと見せていなかった側面をぶっぱもしてきます。一つずつ見ていきましょう。
 二回でワンセットなトオルンのおばあちゃんの家に行く回は、都会っ子が田舎に行ったらこういうのよな、というムーブをしっかりしつつ、『Aチャンネル』らしいぶっ飛びなところもあり、大変いい感じで田舎話として屹立している内容かと思います。個人的には一回目と二回目の大オチがきっちりアクセルシンクロォ! するところが本当に上手いと思いました。単品でもオチとして高いレベルのずっこけ具合ですが、それがきっちりと反復されるということでそう落とすか! と。本当に見事なムーブです。
 ユタカとるんちゃんの邂逅回は、ある意味で戦慄せざるを得ないものがありました。今までストッパーがいる状況、トオルンかミポリンがいる状態であっていたユタカとるんちゃんが、そのストッパー無しで出会ってしまったら。誰もが考え、そして恐怖で戦く事態が、ここに成立してしまうのです。わりとすぐにストッパーがきてくれて、読者的にはやくきてーはやくきてー状態から回復できたのは嬉しかったですが、もうちょっと破滅的な展開も見たかったかも、とマゾヒストな気持ちにもなったりしました。来る前の段階で既にヤバかったので、早めに来てくれて助かったというのに、であります。まあ、この邂逅の初手が焼肉屋の匂いを嗅ぎたいので裏のダクトに、というユタカの謎行動と、既にそこに居たるんちゃん、という輪をかけて謎なシチュエーションだっただけで、満足するしか、ないじゃないか……。←あまりのことで妥協満足するしかない
 さておき。佐藤先生と鬼頭先生のカップル成立というのは、この漫画の中でとても進展的な話です。基本的に同じ時間内をぐるぐるしている漫画に、進展の流れが、というので今後この漫画がどうなっていくのか、というのが気にかかります。このままぐるぐるするのにカップルとしてどんどん進展する、という亜空の展開もあるのかしら。それはそれで好きだから、いい。にしても、鬼頭先生、あれだけちゃんとご飯作ってあげてて、まだ恋人同士じゃない、とかいうかと思ったら手を恋人繋ぎしたから責任とって! とか本当に無茶苦茶言いますよね。そして鎌手先生のふたりくっついたら面白いぞーっ! っていう考えでくっつけようと画策する辺りも無茶です。あんたの楽しみのために付き合うんじゃないですから! でも、付き合ったら面白いぞーっ! は分かる。もうあそこまで行ってたらくっついちゃえよ! だし。
 さておき。
 今回も題下の絵が大変よろしい『Aチャンネル』ですが、案外ユタカ率が高かった、というよりは、個人的に目を引いたのがユタカだった、というのが個人的に良かったです。特にチャイナユタカは眼福過ぎて素で拝むレベルでした。尊い尊いとはこういう気持ちか。そんな状態で、ちらりと見ては閉じて拝み、ちらりと見ては閉じて拝み、とやって流石に自分でも頭くるくるぱーな状態になったりしました。それくらい、チャイナユタカは尊いのです。これを見る為に買うのすら、ありと言えるのです。もちろん言い過ぎですが。
 とかなんとか。