感想 宮場弥二郎:さきしまえのき 『アイドランク』1〜2巻


アイドランク(1) (メテオCOMICS)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)


アイドランク(2) (メテオCOMICS)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

大体の内容「アイドルが、飲む。飲む。飲む!」。アイドルグループ<アイドランク>のメンバーが酒を飲む話。それが『アイドランク』なのです!
ワカコ酒』や『のみじょし』など、飲酒を根幹とした作品が最近とみに増えてまいりましたが、その趣向は様々。なまじっかなネタでは、そろそろ侵入が難しい地帯と化してきたのは、諸賢も感じていらっしゃるかと思います。
そんな中に現れたのが、この『アイドランク』。アイドルが飲む! という、明確にそのアイドルのアイドル生命が危(ヤバ)い! 案件で押してくるという、コンセプトから中々に尖った一作になっています。カカッと語っていきましょう。
この『アイドランク』、何がヤバいかというと公称は20以下だけど実年齢は20越えとるわ! という凄まじくギリギリな攻め方なんですが、19歳設定だけど23歳でそれなりに飲む、というのがこれも相当な案件なのにラインとして軽いのです。一番の厄タネ、15歳設定で全国民の妹とまで言われている子が22歳、まではまだよくて、これが相当の飲兵衛で仕事終わりに一杯どころか仕事中に一杯しているという無茶設定なのがとにかくヤバいです。お前のような妹がいるか! 案件です。とはいえ、本人の天然のロールが妹属性なのか、慕っている先輩の行動を疑うとかしなかったり、むしろいい酒や酒場を勧めて来たりと年上系の人のくすぐりどころを刺激するのがヤバいです。そして相当の酒豪で、昨日あれだけ飲んだのに朝っぱらから飲み屋にいるという段階でヤバさが天元突破しています。その子を見るだけで満足できるレベルの漫画、というくらい切り立ったヤバさです。
1巻はメインの飲酒力は普通なサキさん、全国民の妹がこの酒豪! なほのかさん、そして徐々に壊れていく鶴子様がわちゃわちゃ酒飲む話で、2巻も新規加入の子が増えたものの、結局飲む話がメインです。メイン過ぎて公園でコンビニの商品と酒を組みわせた酒盛りするという常在酒場状態に突入し、ここまで来ると後は季節ものしか手が無いのでは? というくらいに攻めっ攻めです。とはいえ、季節ものこそ酒には重要な世界であります。四季折々のものと一緒に飲む、というのはベタ基礎ですらあります。この漫画もそこに行くのかどうか。中々興味深いです。
さておき。
この漫画は全国民の妹にして大酒豪のほのかさんを見るのが基本な漫画ですが、その酒豪っぷりは本当にヤバいです。先にも書きましたが、仕事場にも酒を持ち込みますし、仕事の場面でチークの代わりとばかりに酒を飲みます。他の人にも悪気はとくになく酒を飲ませます。自分が飲めるから他人も飲めるといわんばかりの酒モンスターです。ワンカップがほぼ水とか言いますし、つまみはいくなら塩でいいとか言い出したりもします。この漫画のほとんどの飲酒がほのかさん経由な辺り、便利なのかなあ、とも。でも、なんのかんので皆ほのかさんを邪険に出来ない辺りが、人徳を発揮しているかと思います。でも、基本酒モンスターで、でも全国民の妹。このギャップ!
とかなんとか書いて終わり。