感想 吉田茄矢「12月の銃と少女 BAD×BUDDY」

<深山和香・富士見ミステリー文庫・620円・ISBN:4829162937
内容を要約すると「結局、一発も」
あらぬ咎で遠くアトランタまで左遷させられたホンダの周りで巻き起こる騒動の顛末を、ホンダの視点で書いた一作。
ビバリーヒルズ・コップ」足す「48時間」引くエディー・マフィー、とでも言いましょうか、そういうアメリカ刑事映画のエッセンスを上手く取り入れつつ、かぼちゃパンツという、サービスとしてはかなり危険な厄種を取り混ぜながらもきちんと「刑事物」へとシフトさせて渋めに閉める所までやってみせるのはなかなか。 感覚の違う二人が徐々にコンビになっていく、という流れがわりと綺麗に決まっているのも好印象。
これで富士見ミステリー文庫を選ぶっていう選択の妙を一瞬感じましたが、良く考えると日本で刑事物の新人って出てこれる余地が無いんですね。 そりゃ富士見ミステリー文庫送りになるよなあ。