小川一水という作家に対する一つの仮説「予測演算者」

小川一水さんの面白さとは「未来の出来事を予測し、過程を演算し、結果を出力する」所にあると見る。 周知の通り、「第六大陸*1」は一巻と二巻では一巻が圧倒的に面白い。 これはとりもなおさず「未来技術予測」と「その使用予測」が楽しいのであり、ぶっちゃけ群像劇部分はどうでもいいよね。特に二巻後半は、というのは余談なのでここでは触れない。
これは「復活の地*2」にもいえて、「復活の地」という作品の面白い所は「大規模天災が及ぼす被害報告」と「それへの対応」なのです。 まあ、センセーション過ぎて三巻では細々とソゴがでてますけどね。(なんで天災がくるとわかってるのに屋内にいますか小学生、とか。) この作品も群像劇としてはフツーです。
これらからわかるように、小川一水さんは「予測演算者」が基本なのです。 そこから一歩も出ない。 しかしそれゆえに「予測演算者」としての腕の使い方、その練度が格段に上がってる事はきちんと見ておきたいと思います。 

*1:一巻<ISBN:415030727X>:二巻<ISBN:4150307350

*2:一巻<ISBN:415030761X>:二巻<ISBN:4150307660>:三巻<ISBN:4150307709