感想 『柳生雨月抄』

柳生雨月抄

柳生雨月抄

 荒山徹爆裂伝奇、新刊です。
 内容。

 柳生の陰陽師、柳生友景が朝鮮妖術師軍団相手に大立ち回り。

 以上。
 本当にそれだけが延々と面白く書かれている、という快作にして「主人公が強すぎる」、「朝鮮に妖術師が多すぎる」、「話が奇想すぎる」という荒山基本フォーマットに忠実なまでに忠実すぎる怪作です。
 それにしても、荒山先生は本当に困った御仁というか、しれっと無茶な事を書きすぎるというか、「いいじゃない、面白いんだから」の精神が豊富すぎるというか、やってる事がリスペクトなのかファックなのかパンクなのかわからないというか。インターネット殺人事件「そろそろDISっといた方がいい」と書かれたのを見て、「然り」と答えたくなろうものです。
 そのおかげでツッコミ所にツッコミを入れるとどうしても「あれら」についての話に終始してしまいがちで、結構前に読み終わってたのに感想が書けませんでした。「ボケたらボケたで、ちゃんとツッコまな!」とは、まさるさんの名言ですが、この作品に関していえばツッコんでもツッコんでもきりがないので、その行動は明らかな徒労です。ほんとどうかしてると思います。
 で、今日になって何故書いたかというと、第2次αをやっている時に片手間に「メカビ」を読んでいたら「八岐之大蛇の逆襲」という言葉を発見したからです。*1これはひょっとして「柳生雨月抄」の中でも「不思議ではない」という台詞の内容が不思議すぎる事で有名な「八岐之大蛇の大逆襲」の題名の元ネタに違いない! というわけで、ここに記しておこうかと思ったのです。某海王WIKIに垂れ込んでたりしてますが気にしない。
 これを知って私の脳裏を巡ったのは、荒山先生はどこまでリスペクト精神が旺盛なのかという事でした。わざわざ本になる時に改題してまでこんなネタ仕込まなくてもいいやないですか。どこまであなたはそういうのが好きなんだ。しかも、「八岐之大蛇の大逆襲」の内容が内容なだけに、それリスペクトになってないんじゃないんですか。だってあれ、八岐之大蛇が…むにゅむにゃ…。
 まとまらないので強引にまとめますが、「荒山先生、無茶すぎる」以上。
(参考:「八岐之大蛇の逆襲」)

*1:メカビ」p16より