感想 こむそう 『南国ちゅーばっか! 1』

南国ちゅーばっか!(1) (KCデラックス ヤングマガジン)

南国ちゅーばっか!(1) (KCデラックス ヤングマガジン)

 大体の内容。「何もない、が、おっぱいはある!」。基本的には何もないがある系、つまり日常系のゆったりだらだらのっぺりまったり漫画な訳ですが、そんな中でもやはりのこむそう味と言いますか、キャラを立たせてばつ牛んのノリ感ではしゃがせる基本理念はこの漫画でも変わりないのでありまして、日常系騒がしい係が好きな方には、イイノリデッセ、コノマンガ。と笑顔でオススメ出来ると思うんですが、それは単に俺がこむそうノリが好き過ぎるだけなのではないかという疑問も当然浮かんでは消え。今後の研究が待たれるところです。
 妄言はさておき。
 この漫画はこむそう漫画なので、上記したようにキャラをぶっ立ててガチャガチャするのがその得意分野、というか今までこむそうせんせの漫画でそれ以外の御業を見たトキねーですが、逆に言えばこむそう漫画に求めるものはそれ一点、と言ってしまうと酷いんですがでもまあSNKG(そんな感じ)でありまして、なのでこの漫画もその点に全く漏れないどころかそれだけで飽和している状態にあるのは、そういうのを求める向きには、なんだかとっても、ありがてぇじゃねえか…。とCV稲田徹で涙に暮れてしまう物があるのではないでしょうか。
 このガチャガチャ感が満載に感じるというのは、これが4コマではないのとは無縁では有り得ません。そう、4コマではないのです!(迫真)
 こむそう漫画としては初の普通漫画(意味不明言語)な『南国ちゅーばっか!』ですが、そうだというのに慣れ親しんだガチャガチャ感が崩れるどころかむしろ満載に感じるのは、8P漫画であるにも関わらず、ほぼ1P漫画のノリというか、1Pでフリからオチまでやってしまうというスタイルにあるのが原因です。1P漫画を八つ連続でやっている、と言えば満載に感じるのもやんぬるかな。
 その点以外にも、4コマでないがゆえに、自由にコマ数を調整出来るがゆえに、4コマでのテンポではありえなかったノリを生み出す事に成功しています。3コマや5コマなどの今までになかったコマ数を十二分に活用しているんですよスピス(鼻息荒)! また、それゆえにコマの大きさも自由であり、つまり4コマでは見せる事の出来ないコマの大小での緩急も搭載。ゆえに、こむそうの無限大のガチャガチャ感が4コマのくびきを放たれ、自由に開放されているのです。そういうこむそうせんせを見れるなんて、思わなかったよ…。
 さておき。
 こむそう漫画なのでキャラの話をするのは通過儀礼ですが、そうなると一瞬しか出番のなかった眼鏡っ子委員長キャラの話でもしようか、とか思いましたが、それは自分の人格が崩れるので*1止めて基本の4人の紹介でも。
 こむそうの4人キャラ作りのバランスというのがあるのかどうか全く知りませんが、勝手に巨乳2、貧乳2が基本路線だと思っています。この漫画もそれにそむく事無く、そしてちゃんと巨乳は巨乳ネタをされるというお約束もしております。そんなおっぱいネタ要員ツナミ嬢はおバカ系で元気ハツラツ。メインパーソナリティであるがゆえにその活躍度は高く、基本的にこの漫画はこの子中心。見ていて気持ちのいい馬鹿だと思いました。
 もう一方の巨乳設定の早苗はしかし胸ネタはツナミで十分だ! とばかりにその設定には振れられる事無く、メイン4人の振れ幅として馬鹿一辺倒になりそうなのを程よくマイルド調整するぽわぽわ系。ぽわぽわ系の当然としてお金持ちだったり、やや不思議なとこもありますが、それぐらい無ければメイン4人は務まらんですよね。
 対して貧乳側代表のカナは中二なのに驚きの幼さ。『天然あるみにゅーむ!』で言うとマキポジションに見えますが、マキがちゃんとしているのに対してカナは本当に幼い子であり、馬鹿方向のキャラですが馬鹿というより単に幼いんじゃあ…。という思わせれます。幼いというのは甘い物を与えられるとほいほいヤバイ奴についてっちゃうんじゃあ…。というレベルです。端的に言ってただの幼女だこれー!
 もう一人の貧乳サイドはボーイッシュ系の優希。この漫画に唯一のつっこみポジであり、途中で登場するセクハラ娘湊嬢も含めて3人の基本馬鹿を相手取ってのつっこみは、この漫画の冷静の部分の権化のようなものです。馬鹿が多いから、ノーつっこみだとたぶん成立しないよな、この漫画。というわけで大変重要なポジですが、おっぱいネタになると明確な貧であるカナを差し置いてネタにされるキャラでもあります。カナは成長しなくても問題ない感があるからでしょうか。不憫なり。
 そんな個性のある子達が南国をバタバタと暮らす、それが『南国ちゅーばっか!』なのであります! いやあ、やっぱりその辺、こむそう漫画ですなあ。

*1:何故?