先に総評
今回の要諦はきらら経験者でしっかり固められた前衛後衛、その間で咲く一輪、と言うにはちょっと多いゲストの花でしょうか。実際、『箱入りドロップス』が上がってきているけどまだまだ長期連載者の多い前衛、再チャレンジ枠に超長期連載枠との相乗効果でどこかでお見かけした感満載の後衛の中にあって、足場がしっかりしないもののチャレンジブルであるのは中衛であり、きららの未来を担う奴が出てくるのもここからだろう、とは思わされます。しかしやっぱり足場が脆弱ではあり、『ニアイコール』と『ましゅまろ×タイフーンッ』が居れば、と死んだこの歳を数えるみたいな気持ちになってしまうのもまた、仕方ない事なのかもしれませんが、それでは建設的ではないので建設的なことを建設的に考えて行きたい所です。
そうなると出てくるのが今回のゲスト陣。数が多かった今回の中では、お初である『あいすき-浮世絵の恋-』と三回目の『くれいじーラボラトリー』が特に映えていました。
『あいすき』は和の絵を描きたいという夢を持つ画家先生に恋した子がおさんどんする話と言えば大体が終わってしまうのですが、丸っこい絵柄と背景に対するフェチズムに満ちており、それが作品の雰囲気にきっちり影響してあるのがなかなかのものではなかったでしょうか。お話の方も日常系として地盤がしっかりしており、でもそれが逆にこの漫画の飛翔域を狭めているのかもなあ、とも思わせるのが痛し痒し。キャラ二人で延々回す、という『キルミーベイベー』のような異様力量は流石に感じなかったので、連載するなら順当にキャラが増えていくだろうな、とも思ってみたりします。それくらい、続きというか延々見ていたい、好みの漫画だったり。うん、これこれ!
『くれいじーラボラトリー』は三回目という事で勝手知ったるなんとやら。順当にキャラ増やして順当に見せ場を作って、と見事な仕事っぷりでありました。この漫画でたぶん人気があるであろうマキシマを軽くしか使わずに今回の話を回しきれた、というのも重要なファクターで、動かしやすい単キャラしか動かせないわけではない、というのが見れて大変眼福でありました。うん、これこれ!
というわけで脆弱な地盤ながら、次の一手となる人材も見えてきたような、そんな中盤でありました。上の二つが連載し始めたら、きららにまた新たな一ページとなるかもしれません。が、まあ願望です。
個別チェック三連弾
- 『しかくいシカク』
- 『少女公団アパートメント』
- そんな! 学校描写があるなんて! と言うと流石に言いすぎのように思われるでしょうが、今まで偏執狂レベルで学校を見せなかったこの漫画で、ちー達の学校ではないという事実があるにせよ学校が出たのはなかなかチャレンジブルで驚くべき事なのです。まあ、学校の特別な日、学園祭の日、という免罪符が発行されているので、たぶんそんなに何度もある事ではない、とも考え付くんですが、それでもアパート周りオンリーから脱却を図る道しるべになりそうな今回は、記憶に残すには十分な回ではないでしょうか。あ、ちーろかは素晴らしいと思うので、さくらさんの学校の人達は良くわかっているな、とも思いました。ユウジョウ!←使い方が微妙に合ってる
- 『だいすき』
- お兄ちゃんの誕生日をサプライズ祝おう!の巻。この漫画のメイン女の子は皆微妙なスキル振りしてるんだなあ…。と遠い目。九谷さんの不器用スキルの高さと、瀬戸さんの飾り付けスキルの致命的な無さが、千夜の料理スキル0と絡まりあってお兄ちゃん大変だな…。と思わされました。これだけ女の子がいて特にリア充感が無い、というか妹スキー過ぎるお兄ちゃん…。ユウジョウ!←使い方がたぶん合ってる