大体の内容「宇宙人が攻めてきた! ら、後は分かるな?」。とうとう宇宙人が襲い掛かってくる展開になったのが、『残念女幹部ブラックジェネラルさん』12巻の総体なのです。
宇宙人ですよ。とうとう宇宙人が出てきましたよ。しかも、この漫画世界の能力者は、その宇宙人に能力を植え付けられた、というのでだいぶ上位存在ですよ。それが、地球人があまりに能力を戦闘に使いすぎて引くので絶滅だ! と攻めてくる形になり、でも色々あってごちゃごちゃになっていく、というこの漫画らしい展開がすこっとハマります。
しかし、地球人が戦闘民族過ぎる、というのが人間を実験動物にするくらいに倫理観があれな宇宙人ですら引くということで現出されていたので噴きました。確かにこの世界の能力者戦闘バカが多いけど、引くレベルかー。
さておき。
そんな宇宙人がブラジェネさんをさらい、そのせいで更に状況がごたごたになってきますが、そのせいであっちやこっちやでキャラクターが躍動する、という展開にもなっていきます。あれ、これもしかしたら最後の事件みたいな感じなのか? というレベルであいつもこいつもどいつもそいつも出る様に、にぎやかだなあ、ってなってたら、最後の次巻予告で次巻最終巻! となっていました。なるほど、それならこの大盤振る舞いと一致団結してぶちのめす展開も納得がいく。って最終巻!? ってなりましたよ。いい加減やることがないというか、もうちょっとばかし事件の起こしようがないし、そろそろブレイブマンとブラジェネさんの関係も終着しないといけないだろうとは思ってましたが、いきなり次で! と言われるとテストに出ないよお……。ってなるのもむべなるかな。終わるべきタイミングではあるし、これ以上続けようがない。理解はできる。だが感情がおっつかない。はあ、終わるんだあ……。
さておき。
そういう流れなので、本当に色々大盤振る舞い、団長さんのお顔が出てきたりとかあるんですが、その中でブレイブマンが12巻現在では気球の推進力になっている、というのでお前がやってこないと話決着しないだろ! 早くしろー! 何もないまま終わっても知らんぞー! ってやきもきさせられます。この漫画はブラジェネさんとブレイブマンの話なのですが、意外とブレイブマンが蚊帳の外の時があるので、この最終展開で蚊帳の外で終わったら読者としては怒り有頂天。絶対に間に合ってくれよ、ブレイブマン! というか間に合わせてくださいよ、jin先生!
さておき。
しかし、jin先生は大変真面目であるなあ、というのが、この最終展開で出せるキャラは全部出そう、というのをきちんとしているところ。ヴィラン連合は当然として、クロジェネさん達もちゃんと仕事している上になんか色々話が盛られてて、そこまで出さなくてもいいのでは? という老婆心がバリバリします。
その上で、強すぎるやつの処理もしっかりしていて、巨大UPAが街に落ちる! というのを強引に海行くように殴り飛ばして今回リタイアとか、超複製も超使ってしまってもう今回はリタイアとかしています。抜かりがない!
そして海に落ちても津波でサーフィンだろ! と思ったらちゃんとそれを抑え込むのもやっていて、そこでもまた一人限界で耐えきったので使えない、となって宇宙人戦でメタになり過ぎるやつをちゃんとつぶしておくのに余念がなさすぎます。こういうところが本当にjin先生が真面目な理由でしょう。適当にいなかったとかでいいのに、ちゃんと潰しておく辺りが真面目としか言えません。それがいいんだ……。
さておき。
沢山のキャラがあちこちでわちゃわちゃする、というのをきっちり見やすくしている点も真面目です。少ない箇所だけピックアップしてカカッとやる、というのをせず、見せ場があるなら見せないといけない。という真面目さが発揮されているのです。その見せ場が気球の推進力のブレイブマンもいますが……。これはタメで、最後に開放されるのだろう、という目で見ていますが、ここでゲンゲン肩透かししてきたら怒りが有頂天です。ちゃんとブレイブマンかっこよく活躍させてくれなさい。
ということで、次巻で最終巻となった『残念女幹部ブラックジェネラルさん』。読み切り版から見知った漫画が終わるのは、また一つの歴史が終わるのだな、という感じで切ないですが、最後にきっちり馬鹿話になってほしいところです。いや、いいラブ話でもいいんですが、そうなる点は虚数軸上にあるような気がするからなあ。
とかなんとか。