感想 シバユウスケ 『ペコロス 1』

 大体の内容。「ちょっと複雑な共同生活! その実態とは?」。
 もう少し詳しく話を致しますと、青田家と菜原家はお隣同士、とみせかけ、実は同じ一つの家になっていて、その構成員の2人+2人の謎の共同生活が行われているのであった! という前フリから入るお話。その秘密を知られちゃいけない、誰も知らない知られちゃいけない。という呈でそこを死守したり、いや流石に無理があるから友達に知られてもいい範囲で呼ぼうとか、そういうのが主目的に見えたか? 甘ぇ! という事で、そこはあまりガチガチにしないでゆったりとしつつ、笑いあり、笑いありの姉弟姉妹の毎日を追った作品、それが『ペコロス』なのです!
 基本的に、この漫画の構成というのは1P漫画を基礎としつつ、それを十数ページやって一まとめとする形を取っており、1Pで基本的にオチるので、大変起伏と言うかアップが激しい漫画となっております。その絵柄の爽やかさと可愛らしさに見合わぬそのアップは、きらら系列で描かれた『チェルシー』の頃から幾分にも鈍っていない物でありました。ある意味、このすらっとした可愛らしさからちょっと予想がつかないレベルのアップなので、シバユウスケ初と言う方にはおおう…。と戸惑いが生まれるかもしれませんが、でも大丈夫。この楽しさは楽しいだけだもの。帯で言う程毒がある感じに感じない、そんな爽可愛い具合が、この楽しさを助長します。可愛い子が可愛くてカワイイ。なんと素晴らしい事かー! と叫ばずにはいられない。そんな可愛らしさ。
 可愛い可愛いそんな子が重点なこの漫画ですが、やはり冬果さんが個人的にツボるというか、可愛いなあ、というか。それは単にサンタクロースを高校生にもなって未だに信じているという辺りが素晴らしいと思ったからです。ロマンチスト! と一瞬思えますが、次の瞬間にそういえば親父趣味だったな…。というのを思い出しておおう…。と正気に戻ったりもしましたが、それでも一瞬でもなんか可愛いと思ったのは大きく、メイン四人内では一番好きなキャラだったり。バレンタインのチョコの話とか、ちょっと恥らって渡してる(そのくせ他意なし)絵が麗しかったですしね!
 好きな回は1P漫画重点しないこの巻の最後の回「宇宙人」。なんというか宇宙人が出てきてコント調で進む回で、というかとてもとてもコントなんですが、その宇宙人が菘さんになってそのエロス肢体をさらしたりするというある意味ご褒美のような回でもあったり。この辺の爽やかなエロスも、この漫画の秘めたるポテンシャルです。シバユウスケにここまでの力があったとは…。
 とかなんとか。