- 作者: 水瀬るるう
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2014/08/07
- メディア: コミック
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大体の内容「大家さんが可愛い。それでいいじゃないか!」。そういうしゃっつらをしてしまうくらいにチエちゃんが可愛い漫画。それが『大家さんは思春期!』ですが、今回の巻もそれを忽せにする事はありません。そこを真っ当にして、尚且つきっちり話も仕立てて、という事の腕前はまさしくワザマエ! そういう漫画なのです。
この漫画は基本的にはチエちゃんが可愛いなあ、と見ていくのは既に読まれた方には周知の通りであるかと思いますが、その可愛いがきっちりとした因果の結果として生み出されるというのもまた、周知の通りかと思います。可愛いなあ系の漫画というのは可愛いという難度の高い部分に注力するあまり筋がグダグダだったりする事も往々なのですが、この漫画はそこも忽せにしません。一回できっちり終わりつつも、次回以降に繋がる因果の芽を内包しているのです。それが良く分かるのは今回の巻では2巻で発足した料理同好会に新たな依頼が! の回と実際に作る回でしょう。
新たな依頼が! の段階で豚汁回で積み重なった因果、それが美味しくて評判で、更に支援者も現れて、新たに話を動いたのが分かるだろう? という慣れーションしたくなるくらい因果がきっちり繋がっているのですが、それで次のメンチカツ回にきっちりと繋がるのもまた美味し。そしてそれゆえに、そこで頑張るチエちゃんの姿が大変可愛いのであります。安く作れて簡単なのを、と考えるのもいいし、ちゃんと色んなとこの宣伝を盛り込むのもいいし、最後に残った油でキャンドルを、ってのもいいです。チエちゃん無双過ぎます。
そして、いい、ここからが重要よ(エル・ドライバー顔で)、この料理同好会をしているというのが、友達がチエちゃん家というかアパートにやってくる回へと自然と繋がってきているんですよ。それくらい親しくなった、というのもいいんですが、更にそこからちょっと可愛いちょっとエロスの回であるブラジャー回にも繋がってくるのがまた美味い。本当に自然とそう流れていくのです。ここがこの漫画の因果の使い方の美味さを象徴している回でもあるのです。そして増えた人物をきっちりと絡ませてるのも美味い。この子巨乳やな、と思ってた子がブラジャーの有用性を教えられるとか、この回の為に出してきてたのか! と唸らされるくらいに計算がきっちり決まっている人物配置! 商業初がこんなに美味いってのは凄い話ですヨネ。というか水瀬るるう先生って何者なんだ、あいつは!
さておき、エロス回と書きましたがそう、この漫画はエロスな部分もきっちりあるのです! 主にホステスの麗子さんが絡むとエロスが、濃厚ではないけど十分にエロいんですよ。可愛いが描ける人はたくさんいるし、エロいを描ける人もたくさんいる。でも、それをどっちにも偏重しないで、しかし横断的に描ける人というのはそれほど多くないのですよっ! この巻だと、前田さんに前の回でテレビを流れで貰った*1ので、そのお返しとして接待を、というのでチエちゃんと色々どうするか、とするんですが、この時に何故かあったポリスウーマンの制服をチエちゃんと麗子さんが着る所があるんですが、そこできっちりとチエちゃんは可愛い、麗子さんはエロい、というのを描き分けていらっしゃるのですよっ! 同じ服なのに! もあるんですが同じ漫画なのに! というのもまた。その回一本目のウェイター服のチエちゃんの可愛さと、抑えめでも十分エロい麗子さんの対比も素晴らしい。この辺も卓越した腕前だと思うんですが卿らはどうか。
と言う訳で、チエちゃんが可愛い、というだけでは決してないのが、『大家さんは思春期!』なのですよっ! アニメ化しねーかなー。←気が早い
*1:ここも因果の流れを感じるいい所です。