感想 西瓜割 『メラン・コリー 1』

メラン・コリー (1) (まんがタイムKRコミックス)

メラン・コリー (1) (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容。「スイカから女の子が生えた! 生えたのだ!」そこから始まる基本グダグダな、応用グデングデンなメラの生涯、それが『メラン・コリー』なのです! と大仰に入ってみましたが、それだけではどういうことだ!?ビリーッ!! なのであえて(あえて?)説明すると、女子達が浜辺でキャッキャウフフと西瓜割りをしていた、まさにその時、西瓜から女の子が発生したのです。その女の子は特に名は無く、何故自分が発生したのかも分からず、寄る辺も無いのでとりあえず適当にその女の子達とつるむ事でなんとか状況を切り抜けようとしますが、その子達も大概だったので、なんかなんとか生きていける形に。おかげで学校に行ったり、バイトしたりと色々出来る西瓜(後にメランと命名される)の明日はどっちだ! でも、たまに西瓜が割られてピンチになるよ! まさに明日はどっちだ! そんな漫画です。良く分からないですね? まあ、そんな突飛な設定の中、それをあんまり意識せずに、女の子達がコミュニケーションのぶつけ合いをする漫画である、と言った方が通りはいいと思います。思いますか?←自分でも良く分からないので不安
 さておき。
 ミラク誌の中では明確にギャグ枠と言える『メラン・コリー』ですが、そのノリと言うのはだいぶ普通のギャグノリとはズレがあるというか、非常に神妙不可思議な味わいがあります。パン!と出てパン!と返すという明確な響きではなく、パン!と来てずるずると流したりする、あるいはしょぼく入って妙に気合入れて返す形になったりする、というずらし方が良くあります。なんというか、非常に高高度にギャグをしていく、そんな様ですらあります。メインはパン!でパン!ですけども、そういうのがあるので、非常に油断出来ない、どう来るか読めない感じが、この漫画に緊張感を与えているかと思います。この巻ではメラがその妹(?)メロと二人でいる回がでぃすこみゅにけーしょんって感じで、その中でこの漫画のやり方をじっくりしている辺り、一番この漫画を良く表す回だったかと思いました。というかメロうぜえ…。
 さておき。
 キャラ話するとメラのキャラ立ちが凄い変というか、基本がまず西瓜であるので、それなのに人間体があるという事実がムチャクチャで、それなのにやたら人間臭いというのが凄い変ですな。何故西瓜から、という事にも全くこの漫画では回答がなされないだろうというのもあって、それがミステリアスに作用する、と思っているのか? という力強いキャラであります。関西弁なのは関西の方で取られた西瓜だったから、とかあるんでしょうか。妹は特に弁ないから、個体差なのかもしれんけど。というか、本体がどんどん破壊されるせいで本体とは、悲しみとは、って感じになってるのもある意味この漫画のカオスと言うのを感じずに入られません。そんな無茶な状況でも、なんとか生きていく、何故か生きていけるというのは豪運でありまして、でもそれがあるならもうちょっとマシな状況になれよ、とも思うのでそれは凶運とかそういうのなんだろうなあ、とか今一ワケの分からない事を思ったりもしたり。
 斯様掴み辛い漫画、それが『メラン・コリー』なのです! ←そうか?