感想 田口雅之 『ブラック・ジョーク』8巻

 大体の内容「役者がどんどん揃ってきた!」吉良達に加え、別方面からランオーバーとジョニー、それにガンボートが出てきてしまっており、正直役者揃い過ぎでこの漫画の最終エピソードなのかと思ってしまうレベル。ジョニーとガンボートが普通に死にそうですよね……。惜しい、って程でもない人を亡くした。←まだ死んでません
 さておき。
 今回も第四の果実編で、更に連載でももっと続いているので、次の巻も第四の果実編なのは確定的ですが、一応今回で謎の戦闘集団との戦いはするっと終わります。その過程で相手の防御力の謎が明らかにされますが、やっぱりこの漫画の無駄に高いハッタリ力が全開に横溢しております。なんとなくいつかは可能そうに見えない事も無い辺りが特にハッタリ力鋭いです。クリーム塗るだけで、って剥離したり流れ落ちたりとかありそうだけど、その辺も特にツッコミが入らないで進んでも特に困らない辺りも流石。そこ重要じゃねえから! という面構えで、その防御に対する対抗策をどうするんだ? と思ったら当然のように無双するから困る。まあ、相手の化けの皮がきっちりはがれてしまえばいくらでも対処可能、という理屈は分かりますが、相変わらず小玉とあかりの戦闘力が頭抜けてい過ぎるなー、と妙な感動すら覚えたりも。俺の考えたキャラつえーという田口せんせの気持ちが入り過ぎて逆に美学に見えますよ。
 さておき。
 戦闘集団の方が片付いたら、今回の事件の核心、“EDEN”の話に突入します。戦闘集団も育ったと思われるそこで行われる謎のイニシエーション。それは一体何を意味するのか? そもそも無垢な人を作ってどうしようというのか? 戦闘集団を作るにしても、無駄にコスト高くないか? あれは一体? という謎がしっかり提示されつつ、脱走者イドゥンがランオーバー達と遭遇する話されつつ展開。これは一体何が起きているのか。アメリカまでが何をさせているのか。もう妙に話大きくなり過ぎですが、それがきっちり片がつくのか、まとまらないのか。その辺はきっちりまとめてくれるという期待を仄かに持ちつつ、次の巻を待ちたい所です。
 にしても、吉良の便利キャラっぷりがレベルアップ著しいですが、ここまで来ると吉良が余裕だから大丈夫そうだな、と安心材料にすらなってしまうから困る。もっとハラハラする展開になるのが普通なのに、何こいつの安定感。この漫画で一番作者に愛されてる感じが凄い。そこがいいんだ……。とは言えますけどね。こういう無茶な漫画の安全弁として、今後も活躍して欲しい所です。
 とかなんとか。ああ、「おっきくなった!」の場面は最高にシュールで田口せんせのSAN値をガチで心配しましたが、大体そういう漫画家であるというのを思い出したので、自分の中では折り合いが付きました。色々、ガチだからねー。