感想 うず 『炊飯器少女コメコ』1巻及び2巻

炊飯器少女コメコ (1) (まんがタイムコミックス)

炊飯器少女コメコ (1) (まんがタイムコミックス)

炊飯器少女コメコ (2) (まんがタイムコミックス)

炊飯器少女コメコ (2) (まんがタイムコミックス)

 大体の内容「コメコ、米炊きます!」。タケル君の下に母から送られてきた炊飯器。それは少女型炊飯器だった! その炊飯器とタケル君の日々。それが『炊飯器少女コメコ』の内容なのです!
 というか、本当にそれだけというか、とりあえずコメコと親密度を上げる、そうすると美味しい米が炊ける! というよくよく考えると何言ってんだお前なミッションがあるにはあるんですが、それも特にタケルは積極的にやる訳でもないので、基本的にタケル君とその周りの人達、そしてコメコとの日常がつらつらと語られる漫画となっており、コメコのずれた行動と米炊き行動をつぶさに見ていく、というのが基本テーゼであります。
 それにしてもこの漫画、コメコの出オチ感、ネタ一発勝負感が本当にぱなく、それだけでも前提がなにかおかしいので普通の日常の徒然なのに全然普通じゃない話が綴られていくのがこの漫画のいい所。一発勝負の基礎部分、少女が炊飯器! が変だからこそ出来る味わいとなっております。というかなんだよ、少女型炊飯器って! オーバーテクノロジーが過ぎる! しかも親密度が上がったら美味く米が炊けるとか! オーパーツ過ぎる! そして親密度が低いままだとちゃんと米炊けないどころかおかゆ! それだと使いはじめの頃は全然美味しくなくてどう考えても無駄機能過ぎる! と、とにかく驚くべき機能持ちのコメコの存在一発勝負感が凄まじい漫画であります。それでいて、人間関係的な部分でちょっとおっ、となる部分もあったりするから恐ろしいんですが、でも基本的にはコメコが無駄な行動と炊飯行動を取ってタケルを困らせるのを見てあっはっは、と楽しむ漫画として楽しめるのがいいと思います。そこをしっかりやるから、たまの事、一巻最後から二巻最初にかけての展開がおっ、と思わせるんですけれども、でもあんまりそこ重視して無い感じもあったりします。
 さておき。
 この漫画の要諦としてコメコの存在も一発勝負として十分なものが、ロボなはずなのにやたら人間臭いけどやっぱりロボな部分がある辺りがしっかりしてありますが、そのコメコに勝るとも劣らない米原百合さん、ヨネさんの存在感もおかしくていいものです。農家の出であるからなのか、米が度を越して好きで、家で米をバケツ栽培してたり米を愚弄する人に容赦なかったりするんですが、その影響でかなのか、米の炊ける匂いも大好きで、その匂いがするコメコが大好きになってしまうというから無茶苦茶です。本人的には米の匂いで好きになっているのか、コメコの匂いで好きになっているのかが不明、というかコメコが炊飯器だと知らないので、米とコメコどっちが好きかって言われたら困る! とか人物紹介で書かれてる辺りがこの漫画の凄い所ですね。ヨネさんだけはコメコが炊飯器ロボであるというのを全然知らされないままな辺りも、いずれ知ってどうなっちゃうんだろう、と気に掛けさせられますが、まあ変なオチになる事は無いだろうなあ、という漫画の雰囲気が好きです。いいよね、この信頼度。
 とかなんとか。