感想 浜田よしかづ 『つぐもも』12巻

 大体の内容「バトル、バトル、バトル! からのー!」。
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 今回は11巻の不穏な空気からの直接の続きとなっております。付喪神達の侵入に対して様子を見に行った黒耀さんが酷い目に! という端緒からほぼ全編バトル展開へとぶち込まれるのが、『つぐもも』12巻なのです。
 バトル展開なので語る部分が少ないというか、見てください! ってシャクティ面で言ってしまえば終わってしまうのですが、それもなんなのでつらつらと感じた事を一戦ごとに書き連ねます。
 あきと対玄武戦は一番ハラハラする戦いであったかと思います。というか相手が武器としても有能な斧のつぐももであり、対するあきとは武器としては使いにくい鋏のつぐももなので、これ勝負になるのか、と思ったら練度の違いというのが如実に出た形になりました。長年の研鑽は嘘をつかないもんだなあ、というのと、その上で更に絡め手をお互い用意しているのが心憎い。それだけガチであった戦いでした。
 金山様対つぐもも二人は金山様劣勢! と思った? 残念! 一撃必殺でした! というジャガり方が最高でした。戦闘向きでなくても、流石神様。普通にとんでもなく強いのでした。というか、決め技の超威力とその見た目のマッチ具合が素晴らしい。それは確かに超強いわ、って納得させる手管として卓越した物を感じました。というか、見た瞬間に、「あ、こいつら死んだ」って感じるくらいだったのでもう。頑張って防御してたのが更に哀愁です。その後の金山様の金山様たる所もきっちりとしており、神こえー! って気持ちにも。こえー!
 かずや&桐葉対響華は実は割とクレーバーなとこがあるかずやが珍しく熱くなっておりまして、そのせいで相手の立ちまわりが見抜けず劣勢! という展開から、かみがかりにまで行っての反転攻勢が気持ち良かったです。フラストレーションが溜まってからの解放ってやつですね。それも相手の技の仕組みを音の衝撃波と見抜いての攻撃の組み立て、そして消音壁めいた防御も見事でした。最後もきっちりクレーバーに戻ってるかずやの行動はお見事。
 最後にくくり対つぐもも集団もありましたが、圧倒的な力が無い! 弱っているんだ! と思われていたくくりのそれでも全然問題ない強さが非常に印象的です。弱っても神様であるというのが感じられる圧殺劇。瞬殺ではないけど、相手全然いいとこというか一撃すら入らなかったので、圧殺と言っていいでしょう。そんな戦い方でした。金山様といい、神様こえー!
 さておき。
 ここまでのバトル展開で、今回はもしかして裸はないのか。そう思っていた時期が俺にもありました。その実は、今回の巻もきっちり裸は開陳されます。浜かづ屋! と囃したててしまいたくなるくらいの爆発というか暴発ぶりでありました。今回の被検体は迷い家の女性面子が一方と、相変わらずのかみがかり後のかずやを世話するという名目のくくりと金山様がもう一方。必然性があれば脱がします。無ければ作ってでも脱がします! という浜かづ屋の思念が残留してるんじゃないかってくらいの禍々……清々しさで脱がされます。迷い家の面子では千影さんの鍛えられた肢体が他の面子と違っている辺りが特筆点。裸の種類すら描き分けるというのか……。と戦いていたら、くくり&金山様の方は完全な泡姫(婉曲の様で直接表現)しててマキシマムレベルで噴出しました。そのくくりの態勢が、古の言葉で言うと「これ絶対入ってるよね」インシデントでありまして、入ってないのは分かってるんだけどでも入ってるよねとしか言いようが無い様で驚愕でしたが、その後の寝てるくくりに金山様が性的ないたずらをかまして、その結果かずやがあそこを見る形になった所で「とろとろ」の4文字があっておいいいいい!? と驚愕を更に上書きされました。そんな溜まるまでバトル展開を書いた浜かづ屋に、そしてそれを解放してこういうの描いちゃった浜かづ屋に、敬礼!
 とかなんとか。次の巻では久しぶりのすなおさん登場で一悶着以上の事が爆裂しそうですが、どうなるやら。