感想 浜田よしかづ 『つぐもも』16巻


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つぐもも : 16 (アクションコミックス)

 大体の内容「次々と明らかになる、過去!」。ということで過去回想編も大詰めを迎えたのが、『つぐもも』16巻なのです。
 今回の巻の過去回想編は、本当に色々と衝撃的事実が多過ぎてどこからやっつけていけばいいのかというので悩むんですが、やはり核心部分、奏歌さんの心の虚についての話が重要でしょう。そこから。
 相変わらずのウォーモンガーというか、バトルマニアな奏歌さんがその強さの研鑽が行き着いた先、それは敵になる相手がいないと言う事実。千年に一度の才によってどんどんと強い怪異を払っていくけど、どんどんと強くなり過ぎてもう相手になる怪異がいなくなってしまって、それでも自分の虚を埋める為に身重でも前線に出ていて、そしてこの漫画の重要点になる、かずやの特異性に至る為のキーポイントに到着します。奏歌さんを襲った謎の黒い霧。それによってかずやもその黒い気配によってあまそぎを呼び寄せる体質に。それは桐葉さんが守護することによりなんとかなったものの、今度はあまそぎを生み出す力をかずやが持っている、という状態になります。ここがキーポイントですよ。これにより、既に強い怪異も楽に倒せてしまって虚になる場面が多くなっていた奏歌さんは、かずやを鍛えだすことに。そして自分が強くなることに対して貪欲になったかずやが、そのあまそぎを作る力によって、あのあざみを生み出して、そのあざみに奏歌さんが接触して……、というので話が綺麗にまとまってまいりました。結局奏歌さんの虚が全ての元凶とも言えますが、しかしそれを誰が責められようか、とも思います。バトルマニアになるのに十分な理由としての虚でありましたし、それが他で埋められなかった点に問題はあったのでしょうけれど、だからと言ってそれを否定出来るか、という感じであります。そこは、今後の奏歌さんとのかずやの戦いで一つのけりがつくだろうことではあるんでしょうが、はてさてどういう回答をかずやは持つのだろうか。奏歌さんの虚を埋められるのだろうか。てか、そもそも勝てる相手なの? という風に色々考えちゃいますよ。かずやも相当素質持ちでありましたが、それでも千年に一度レベルではないだろうしなあ。物理的に勝てるのかどうか。気になります。
 さておき。
 この漫画というとのエロめいた方も、今回は十分に織り込んでおられますが、それでもこの巻終盤ではなくなって「ぬがー!魔力枯渇!」って感じで浜かづ先生がエロスぶっこみたい病を発動されているのがあとがきからも察されて、本当に裸描くの好きなんだなあ、という小五ロりじゃねえ悟りが得られます。その精神によってエロを出してくれる浜かづ先生だからこそ、我々は付いていってるのでもあるんですが。
 今回のエロは前半では奏歌さんのレズ行為、後半でのかずやのショタ攻めという二段構えです。どっちもくくり様や桐葉さんが受けという流れですが、かずやがあの年で色を知る状態になっているのが個人的には大変ぐっとくるものがありました。そして相当のスケコマシっぷりもなんというか、良いですね。今の邪念を持つとこの生活終わる! で耐えていたのが嘘のようなあけすけさというか、そっちの色事の意味が分かってないのにぐんぐん攻めていくショタですよ。すげえあり。それに陥落する年上。すげえあり。というかこんな時代があったからこそ、成長したかずやに逆に攻めるんだな、桐葉さん。ある意味復讐戦みたいなところがあるのか。更にすげえあり。……というか奏歌さんはかずやに何教えてるねん。自分がやってるからいいだろ、って感じですか! そしてきっとパパンにも同じようなことしてたんじゃないですか!? パパン、羨ましい……。あれだけ女性を攻めていた人が実は両刀で男も出来るんだよ、というのが発動するエロって大変エロエロなんじゃないか? それを一身に受けたパパン……。
 とかなんとか。