感想 すか 『空の休息』

 大体の内容「てんし子ちゃんマジ天使」。宇宙の中心、ソラ。そこには神がおわします。その神によって生み出された天使のてんし子ちゃんの、なんかあるようで全くないソラライフ。それが『空の休息』なのです。
 基本的に神様が生み出したてんし子ちゃんと、これまた生み出したはこ子ちゃんが特にこれと言った使命もなく毎日を過ごすだけの漫画、というと聞こえがいいですが、本当にそれだけである辺りがすさまじいですよ。この漫画世の最高権力者である神様がおわすので無茶が起きても基本どうにかなる、というある意味最強の設定もあって、緊張感は全くありませんが、そもそも緊張感を持ちたくてこの漫画手に取るというのは酔狂を越えているですヨネ。そんな訳で、だらだらとしていてまったりとした時間がただ経過していく漫画、シリアスは全く起きません! 起きる理由がありません! というある意味最強の設定の漫画となっております。
 とはいえ、全く何もしないと漫画として成立しないので、ちょっとした事はあります。羽が落ちていったり、ミカエルさんの車で特に何もないソラを移動してみたり、自転車を第一宇宙速度で打ち上げみたり。でも、やはりシリアスな展開は無く、ゆるく可愛く、漫画は進行していきます。ここまでシリアスになる要素が無いというのも途轍もないんですが、それでも漫画は進行するのももっと途轍もない。突拍子もないという方が適切でしょうか。でも、そのゆるさによってこちらもだらー、と見ていられるのですよ。深刻な気持ちにならなくても読める漫画の、一つの際にあるような、そんな漫画ではないかと勝手に思う位です。
 さておき。キャラ的な話をするとガブリエルさんの話に帰結しますが、なんで一回、それも掲載誌の終わりによって最終回になってしまった回に登場なんですか! 橘さん! あんたとおれは! 仲間じゃなかったんでぐあっ! という錯乱も導入されるのもむべなるかなと思っていただきたい。愛してるって言ったじゃない! って神様に詰め寄るガブリエルさんマジ可愛い。実は目が悪くて眼鏡所持してるけど基本つけないとかマジもったいない。一緒の部屋で寝る? っていうのであわあわするガブリエルさんマジかわかわ。こんないいキャラなのになンで、なンで最後だけなのー!? そりゃ掲載誌が終わったからって先に書いてますけど、でもなンでなのー! なンでエレクチオンしないのー! という大錯乱をしてしまう俺の気持ちがあふれるのでありました。本当に、もっとこの取り立てて何もない感じの中でのガブリエルさんが見たかったンですよー!
 とかなんとか。