感想 へーべー 『魔女とほうきと黒縁メガネ』3巻

魔女とほうきと黒縁メガネ (3) (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

　大体の内容「リアナと乃梨子の百合帝国は、永遠に不滅という訳だぁ！（家長家弓声で）」。そんな言葉がするっとくるエンディングを迎えたのが、『魔女とほうきと黒縁メガネ』3巻なのです。
　この漫画がどういう漫画であるかというのはほぼ読んでる人なら分かっていると思いますが、それでもどういう漫画だったかと総括すると、変態百合漫画でしたね……。この巻からは変態度合いより百合度合いが強くなり、強くなり、強くなり過ぎて末永く爆発しろ！　という段階まで上り詰めておりました。特にリアナさんと乃梨子さんの百合ップルは初期にあったSM的な繋がりからより百合的なつながりへと進行しているのがその要因と言えましょう。本当に突き進み過ぎて完全なバカップルと化していましたから、どれだけ濃厚な百合具合か知れようものです。特にバカップル回のヤバさ加減、甘甘過ぎる加減と、歯医者回のどこで発露してますか加減はピークと言えて、この漫画の頂上はこの辺りであるか、と言えます。どっちもピークが過ぎて天元突破レベルな辺りがこの漫画らしいです。変態もシェスカさんがその高いポテンシャルを発揮してみかんちゃんのDNAから体細胞クローンを、とか言い出してもう駄目だこの人。感が半端じゃなくなっておりました。乃梨子さんとリアナさんの変態部分、SM部分が減った分を一人で補うんだからシェスカさん流石です。
　さておき。
　この巻で最終巻なので、当然最終回に向かっていくのですが、この向かい方が急転直下。突如リアナが実際魔法使いである事がしっかりと再認識されたかと思ったらパパ登場！　リアナが連れていかれて……。とシリアス展開。かーらーのー大団円の展開の鋭さが素晴らしい。えーとそれいいんですか？　という乃梨子さんの中二病ネタをここでこう使うか！　という使われ方をしてきます。これは本当に一瞬ぽかーんになるんですが、でも、締まりとしては大変良く、この落とし所は再度言いますが素晴らしいのであります。何が一番って皆幸せに終わるのがいいですよ。乃梨子さんもリアナさんもシェスカさんもみかんちゃんも真昼ちゃんも幸せな今を謳歌する。そこに欺瞞！　という視点を持つ事は簡単ですが、でもこの綺麗な落とし方の冴えを見ればそういう気持ちも吹っ飛ぶ事でしょう。幸せである事はやはり大変得難いけど、だからこそあると嬉しいものなんだなあ、という気持ちになりました。言うならば、うん、これこれ！　ですよ。
　さておき。
　にしても乃梨子さんとリアナさんが百合ップルとして確立してしまったので、余波でシェスカさんの出番がみかんちゃん絡みになってしまって、そして二人の仲が、という展開も個人的には大変好きです。みかんちゃんもシェスカさんが好き、だけどその好きがどんどんと更新されていくのがまたいいですヨネ。普通の好意からもっと進んだ好意になっているけど、まだ気づいてない、というのが本当にもう。シェスカさんが発言にてらいが無い部分もあって、だから愛してるのレイヤーを見間違えたりするのもいい。この二人の関係ももう少し見たかったです。乃梨子さんとリアナさんの仲も十二分に良いからこその、もう少しであります。真昼ちゃん……、うっ頭が……。
　にしても。
　最後のあとがきでのへーべーせんせの、リアナさん帰還回のリアナの台詞が思いついて描いて泣いた、というので本当にこの漫画が好きなんだな、というので大変好感度が上がりました。変態漫画って言われて、なんで？　ってなってるという部分も好感度高いです。いやどう考えても変態ですよ、叩かれてラブを感じるのは。その辺のずれが修正されて、力強くシェスカさんが変態著しくなっていっているんだろうなあ、と思うと、感想垂れ流してみるもんだなあ、とも思うのでした。
　とかなんとか。