『まんがタイムきららミラク』2015年3月号 感想

今号の巻頭漫画感想

川井マコト幸腹グラフィティ

 今回はお婆さんの墓参りに。色々積もる話があって、お婆さんの存在感と言うものがしっかり感じられる、しんみり回でした。明さんが酒飲んでないというのはレアケースですが、それ以上にお婆さんの墓前での言動とか、リョウさんの昔の、喧嘩してしまってそのままだった、というのに私もそうだった、というのを話したりとか、今まで明るいばかりが目立った明さんにも色々あったんだなあ、というのが垣間見えて良い回であったかと思います。こういうちょっとした、でも重要なシーンが結構見れるのがこの漫画だよなあ。ぼかさず、切り込んでいくといいましょうか。そういう心の機微とかも色々と演出しているし、だから読み応えがあるなあ、とかなんとか。

個別チェック三連撃

クマノイ『リメインズ・JC』

 動かせるようになった車(パトカー)で倉庫に突入してしまうひまりさん。しかし怪我の功名。そこには発電機が! と言う事で電気が一応使えるようになったよ! という地味に重要なアイテムが手に入った回、ですが、それでテレビやネット、無線などを使ってみてもどれも空振り、というか繋がらない。と言う事でどうにも色々と終わってしまった世界なのでは、という思いが新たになったり。というより、むしろこの子たちだけどうやって助かったんだ、という方が重要ですヨネ。その内、何があったか明らかになるんでしょうかねえ。というか、この漫画意外とヤバい、ギリギリの線を素知らぬ顔で歩いている感がありますが、その線から零れ落ちる展開になったりするんだろうか。とか思って一人戦々恐々であります。

ちろり『箱庭ひなたぼっこ』

 野草好きというより雑草好きじゃね? という一之瀬さんの確かなブローと千堂さんの私も薄々は、というフィニッシュブローで轟沈した鈴谷さん。しかし挫けたのも束の間、新たな称号を求めて皆に意見を求めるのでありました。しかし、話はどんどん変な方向へ。この子らはやっぱりみんなどこかずれがあって、それが一所に集中するせいでおかしくなってしまう、というのが如実に出た回でもありました。新たな称号、ヤソミンというのは? からなんでゆるキャラめいたヤソミンのストーリーを捏造していくのか。そして話が全然ゆるくないのはどういうことか。最終的に橘さん! 何故無茶ぶりしているんです! によって新たなゆるキャラヤザボッコが爆誕! ここに一之瀬さんの称号どうした……。という内心突っ込みを迎え、ヤザボッコが結局鈴谷さんの称号になることが達成されました。安定して頭おかしい展開でしたね?

ぼるぴっか『青春過剰Sisters』

 ゲー! 尾花さんがニチアサアニメに首ったけ!? と言う事で、今回は尾花さん回でした。大学生ともあろうものが名作アニメ見てガチでオタ道へと足を踏み入れてしまうという、このチョロさ! 最終的にそのチョロさが功を奏して、百合ップル大完成と相成ります。この辺ナチュラルに百合ップルになる、しかも大々的に大人数の前で、というのでこの漫画のナチュラルに好きなのを押し通し過ぎての頭おかしいさが爆烈しておりました。ついでに当然のようにその脇で桔梗さんと芹奈さんもイチャイチャしており、この揺るがなさ、こういうのが好きなんじゃー! さ加減は留まる事を知らないなあ、と妙に得心するのでした。 

今号の巻末漫画感想

あfろ『シロクマと不明局』

 なんかバトル展開きたー!? と思ったら復讐譚が始まる! と思ったらマヨネーズでした。何を言っているのかわ(略)。この辺のちゃんとした部分のちゃんとした時のちゃんとしたさは相当良い良いですよ。マジで復讐譚始まるか!? って僕思ったもん。それがマヨネーズ。もう昔の事だし、あの一族は間違った方に進んでたし、って割り切ってる辺りは、生前からだったみたいですけど、割り切れるのってとても大変な事でもあって、だから割り切れてないだろうって縁の下さん思って観念してた訳でありまして、だから余計にこういう展開でほっとするやら、ぽかーんとするやら。
 さておき、ショーワさんが来たのは熊本さんの次の人生、つまり生まれ変わりの事らしいですが、それがどうなっていくのやら、とも。この辺とか上記の因縁ももうちょっと長くやれたら違う形があったのかなあ、とか、思ったりもしますが、いやまだ終わるって決まった訳ではなく、でも終わるだろうなあという予感もあり。終わるなら綺麗に〆ていただきたい。ぐだぐだになってもいいけど、上手くまとめるんだろうなあ。

一応の総評

 今回は比較的凪な号であったかと。新連載として『ビビッド・モンスターズ・クロニクル』が合流したくらいですか。ビビモンは安定して面白いし、コンピューターゲーム系ファンタジーといういい所をついているので、しばらく安定してミラクの幅の一端となってもらいたい所です。
 さておき。
 『きしとおひめさま』と『城下町のダンデライオン』が休載なくらいで、後は堅調でありました。でも、アニメ化! 決定してるのに載らない『城下町のダンデライオン』は大丈夫なのだろうか。アニメ化とん挫、あるいはアニメ化終了と同時期に終了、という青写真も見えないではないので、そうはならないでゆっくり続いて欲しい所です。もう普通に隔月ペースに慣れてしまってますけど、もっと頻繁に見たいですヨネ。
 後、ゲストでは先月号からの『優雅な人と機』が全体的に変な漫画で個人的にジャストフィット。あえてロボを可愛くしない、メカメカしくするというのがちゃんと作品のトーンに素っ頓狂なアトモスフィアを加えていて、意外といいかもなあ、と思うんですけれど、連載は難しそうだなあ……。彩りとしてはありとは思うんだけど。とかなんとか書いて総評とさせていただきます。