『まんがタイムきららミラク』2014年11月号 感想

今号の巻頭漫画感想

川井マコト幸腹グラフィティ

 オープンキャンパスに行く町子さん。今回は一人での行動なのでちょっと心細さを感じていた時、一人の大学生と出会い……。
 出会ったアキさんはマイペース系で、知り合いから無愛想可愛いという謎形容詞を使われてたりするんですが、実際ちんまい体できっちりと無愛想なので、成程分かる。って気持ちに。今回はアキさんの話が重点らしく、その人となりや家族関係とかが本人から語られたりとか。家族皆がマイペースというか、お互いのペースがあって、噛み合わないけどでもそういうペースは好きだから干渉しない、変に言わない、というのは大人な対応だなー、とか。そうなるまでに色々はあったんだろうけど、そういうとこに落ち着いたならそれでいいのかも、とか。この辺の機微が難しいネタをよくやるなあ。そして、その家族の一人が、内木先生という事実で噴くなど。美味しい物食べたらウサギがバニーガールの喩えは確かに適切! 突拍子もないと言う意味で妥当!

個別チェック三連撃

はりかも『うらら迷路帖

 千矢さんの髪と、ライバルとして、友として、と言う話。出会って結構経つけど、お互いの事結構知らないな、と思って強く知りたいと思う小梅さんはいい子やなあ。千矢さんの髪が自分の服のボタンの糸に絡まっていて、からボタンを取って解放する、までの機微が良かったです。千矢さんの事を、どうしても髪を切りたくないというのを汲んで、ってのがね。いいですよ。千矢さんの髪切りたくない理由がかなりトラウマだけどかなりどうでもいい事だったのも合わせて、いい話でありました。

ぼるぴっか『青春過剰Sisters』

 学園祭で勃発する、川崎さんファンクラブの争い! と言う事でその前の七葉なば『となりの魔法少女』の最終回の余韻をジャガってバカ話が繰り広げられます。最終的に川崎さんの一言で公式ファンクラブを名乗る為に体育祭で戦う事になって待て次回! なんですが、今回の展開から考えて変な展開になるだろうなあ、というのが透けてくるので、個人的には堪らなく待ち遠しいです。
 にしても、第二勢力で桔梗さんを応援する紅白応援団はレベル高いですね……。川崎さんと桔梗さんがイチャコラしているのを見てニヨニヨするのがいい、ってんだから。でも、それは読者視点でもあるなあ、と思うと、自分が紅白応援団をすんなり飲みこめたのもむべなるかな。

あfろ『シロクマと不明局』

 今回はショーワさん重点回。あfろ漫画らしい変なノリと、ちょっとした事だけど重要なファクターが盛り込まれて、やってる事はショーワさんが夜中うろついただけだけど妙な満足感がありました。小籠包ネタが妙に続いたのが個人的にはヒットでした。どうでもいい事だけどそれ重点するのって、なんか楽しいです。最後の小倉餡ってそれ単なる餡饅やん! ってので無駄に笑いました。なんで小籠包の形で! 地味な嫌がらせ具合だな!

今号の巻末漫画感想

バロン『悠久図書館のヨミ子さん』

 学校の七不思議の悠久図書館に訪れた眼鏡っことそこに住むヨミ子さんの話。全体的に拍子がずれてる感じの漫画ですが、そこが魅力的に見える時もあり、駄目に見える時もあるので大変評価軸に乗せるのが難しい漫画でもあります。でも、友達になる話って素敵やん? という言葉も出てくるので、個人的には大変好きな漫画だったり。一人だった子に、友達ができるってだけでなんか嬉しくなるんですヨネ。なんだろう、この感情。

一応の総評

 今回は新連載の小守ゆきち『202号室の×××ちゃん』が加入し、代わりのように七葉なば『となりの魔法少女』が最終回として去っていく形となりました。ゲストの数も少なく、比較的に現時点のベストメンバーという印象のある号となっています。つまり、今のミラク、というのがしっかり出ている号であるという言い方もできようかと思います。その実態は、大分学生物が増えた印象がある事からも、だいぶ様変わりしてきていると言えるかもしれません。依然として不思議なノリや一風変わった設定の漫画はありますけれども、ちょっと最初の頃とは違うんだよなあ、って感じたり。それはいい事ではあるんですが、ゆえにどういう風になっていくか、というのが楽しみであり不安でもあったりするのであります。どうなっていくのかなあ。と書いて総評を締めさせていただきます。