『まんがタイムきららミラク』2016年11月号 感想

今号の巻頭漫画感想

はりかも『うらら迷路帖

 前回でうららを目指していた、という情報がさらっと出ていた、佐久さん登場回。椿先生に占いをしてもらいに来た、というにしてもその内容がニナ先生とちょっとこじれた、というのでハイハイお腹一杯お腹一杯。でも、佐久さんが昔うららだったのに何で言わなかったの? という理由が、頑張ってるやつらに冷や水かけるようなことが出来るか(意訳)というのが佐久さんらしいというか。とりあえず千矢さんには全く要らない気づかいでした。他の面々も特に気にしないだろうなあ。という気づかいのできる大人な佐久さんなのでした。
 にしても、本当にお友達だったんですね、椿先生と佐久さん及びニナさん。ちゃんと大人になっても適度な付き合いが出来る、というのが五人娘にどう映ったか、というのは、いいなあ、ってなってたました。臣さんが肩たたき券みたいなの発行したりね。というかあの短い時間であれ作ったのかと思うと、臣さんは今の五人娘関係が大事に思えているんだなあ、という風にも見て取れて、なんだかとってもいいものであるなあ、とかなんとか。

個別チェック三連撃

はなこ『しましまライオン』

 女の子が海に行くというのはいい。リリンが生み出した文化の極みだよ。とCV石田彰で言ってしまいたくなるような内容でありました。つまり、女の子が海できゃいのきゃいの。それだけですが、それが素晴らしいんですよ! とぐるぐる目を発動しようとしたところで、海のただ中にいおんさんとまこさんが流されて行って、という展開に。これははてさてどうなることやら。
 基本的に6人娘制になったので、関係性がごちゃごちゃしてきていますが、そういう意味では次回はその辺が上手く調整されて、久しぶりにまこさんといおんさんというこの漫画のメインの話になりそうです。っても、若干命の危機なので、あまりやったーとか言えないですが。これ、いい方向で解決してもらいたい。変に神様パワーで、とかにならないでいただきたい。

ちろり『お願い! ロイヤルニート

 おい磯野! 歓迎会しようぜ! 回。レベルの低い歓迎会で自分が招かねざる者だと分からせてやる! という深謀の元行われるパーティーでしたが、普通に貧乏だったほたるさんには豪華すぎるのでありました。にしても、直接言ったら傷つけちゃうじゃない! ってお前その時点でだいぶ受け入れているって気づけよ……。ロイヤルニートの人達は基本人がいいにも程があるのがしっかりわかる内容でありました。最終的に桜花さんがほたるさんに髪を梳くのを許すという展開になったのは大変麗しいものがありました。いいですよね、髪を扱わせるのを許可するのって。なんか親密なんだ、って感じで。まだそこまでではない気もしますが、続けていれば十分に内実に踏み込んでいけるという入口に立った感じであります。全部天然でやってるほたるさんにはマジジゴロ感ありますな。

飴色みそ『カラフル・マキアート! -魔法少女は戦わない-』

 副会長、新キャラ化して参上! ですが、名前決めてない等、色々設定面が危うい為に観てる読者が無駄にハラハラする展開に。ここでばれたら芋蔓式に会長がプラさんってばれちゃう! という感じでしたが、名前がない>貴様らに名乗るななど無いで済ましたり、プラさんは?>プラさんには消えてもらった、と発言したりと微妙に怖いキャラとして魔法少女面々に覚えられる羽目に。後不審人物として掲示物が出されていたりと、今後のコスプレ活動に支障をきたしそうな感じでもありました。本人はもう二度とするつもりはないんでしょうけれども。

今号の巻末漫画感想

奥たまむし『ハートオブtheガール』

 最終回! ということで、カコイさんがのぞみさんにアプローチをかけて、という最初にこの漫画を見た時のこっちの勝手な予想とはかけ離れたある意味アクロバティックな最終回となりました。カコイさんが攻める、攻める、攻める! というのは本当にこの漫画が予想を超えた、と感じさせるに十分なものがありました。というか最近のぞみさんの存在感が希薄というか霊圧が消えるレベルだったので、そりゃのぞみさんから出てくるのは展開的に無理、というのは理解できるんですが、それでもカコイさんがここまで攻めに転ずるとは……。それも今までの流れで納得させられた上で、ですから。ある意味こうなる以外ないんだけど、ある意味こうなるとは思わなかった。そういう意味では面白い漫画だったんだな、と理解できるのでありました。奥たまむし先生の次回作、期待したいです、よ!

一応の総評

 今回の総評、というのは最終回が3つも、という点を挙げるべきでしょう。上記の奥たまむし『ハートオブtheガール』、鴻巣覚『やさしい新説死霊術』、そして川井マコト幸腹グラフィティ』。この三つの終了が、今回の号の大きなトピックなのです。
 その中でも大きいのは『幸腹グラフィティ』の終了でしょう。川井マコトせんせはミラク創刊時メンバーです。ミラク月刊化に伴いそれまで描いていたのを終了し、『幸腹グラフィティ』を始められた訳ですよ。つまり月刊化の最初から今まで、であり、ある意味ミラクの生き字引レベルなわけですよ。それが終わるんだ、というのは本当に、ミラク創刊から追っている身としては大変な寂寥感を覚えます。
 最終回自体も、なんのかんので繋がっていくというのがしっかり出ていて、妙に暖かい気持ちにさせられました。ご都合っていう人にはだからなんだってんだよあ! といいたいですね? 非常にらしい終わり方ですが、そのらしいを最後にきっちり持ってきてくれて、本当にありがとうございました。
 ということでミラクの歴史が、また一ページ。アニメ『銀河英雄伝説』の次回予告のこの言葉をついつい思い出してしまう。そんな終了劇でありました。次回作、楽しみにしています、よ! と書いてこの項を閉じたいと思います。