『まんがタイムきららミラク』2016年9月号 感想

今号の巻頭漫画感想

はりかも『うらら迷路帖

 椿先生の初授業! と思ったらその前が長かったでござるの巻。椿先生、初めての教え子なのでバランスわかってない感じなのがいいですヨネ。とはいえ、そもそも書く論文が長くて気持ち悪いって言われているのは気の毒であります。熱意があるだけなんだよ……。内容は優れているんでは、って教え子たちは言っているんだし。
 さておき、今回は千矢さんと紺さんが、椿先生の相性占いでは相性0%だった、というのが今後のキーになりそうな雰囲気。絶妙な押し引きのバランスで、0%ではなく無限の可能性があるのでは、ということになりましたが、それは本当にそうなるのかどうか。でも、実際バランスいいところはあるよなあ、千矢さんと紺さん。上手く個性が噛み合っているというか。なので二人の今後がどうなるのやら、であります。

個別チェック三連撃

川井マコト幸腹グラフィティ

 大学、合格! ということで肉の口になっていたリョウさん、きりんさん、椎名さんの三人は焼肉へ。飯テロですわよー! と身構えて、実際飯テロ食らったわけですが、今回はそれだけでは当然終わらず、別れることが寂しい。というリョウさんの言葉で、そして去年の文化祭の時に食べたおにぎりを思い出して、それを食べて、滂沱の涙。本当に、この子達は一時的なのかそれとも、だけどお別れしてしまうんだなあ。というのが胸に迫ってきます。いやあ、青春ですよ。でも最後は明るい未来を考えて、いつまでもつながっていようね、ってなるので大変よい読後感でした。とはいえ、この漫画もあと二話。どういうオチがつくのか、今から楽しみであり、また悲しみであります。

ちろり『お願い!ロイヤルニート

 ちろり先生新作! というだけで警戒警報が鳴り響く昨今。みなさんいかがお過ごしだ! という冗談はさておき。今回は超お金持ちながら引きこもっているお嬢様たちを学校に引っ張り出せ! という使命を帯びた女の子のお話。全員微妙にずれがあってたまりません。学校に行かない理由はまだよくわかりませんが、学校に行ったほうがいいというメリットで女の子のいい匂いがいっぱいしますよ? と言っているメインパーソナリティ田中ほたるさんはちょっとやばいと思いました。このままみんなどこかやばいというのがでてくるのでしょうか。今から警戒レベルあげております。

ちゅー太『音無さんは破壊神!』

 劇をすることに、というので音無さんが張り切っている、んだけど鳥居さんからは力の具合がやたら強くなっているのがはっきり見て取れて……。しかし、劇がどんどんエスカレートして白雪姫が能力バトルに、って本当に今時っぽいようなそうでないような感じです。やってる当人たちは面白そうだからいいんだろうけど。後、神様の演技ひどくて素晴らしかったですね。あれがメインにならんかったのは当然とはいえますが、もうちょっと見たかったかも。さておき、音無さんの充足で破壊神パワーがえらいことになっている、というのが先に提示されていますが、それについては神様も憂慮する、というので、地球だけではなくもっと他の、いわゆる南の銀河がどうのこうのってやつになるんでしょうか。、それ超まずいんじゃね? あるいは神様が地球を破壊するのを憂慮しているという可能性もありますが、果たしてどっちだろうか。

今号の巻末漫画感想

奥たまむし『ハートオブtheガール』

 今まで無駄にうざいと思っていたサンゴが一途でいじらしいように見えたので全くマジックであるなあ、とか。騒々しいのは変わらないんだけど、でもちょっと見る目が変わったかもしれません。恋の感覚を忘れた星の人だったけど、それを知って、というのは案外いいものですなあ。でも、振られる運命というか、そういうのだからなあ。それでも気持ちをぶつける以外知らない。というのでなんというかもー、あー。でも、今回でカコイさんに勇気を与えた感じで、それがちゃんと今後に生きる、といいなあ。

一応の総評

 今回の号のトピックは、川井マコト幸腹グラフィティ』最終回予告と、ちろり『お願い!ロイヤルニート』、そしてしぐれうい『かんきつパンチ!』最終回でしょうか。
 『幸腹グラフィティ』は月刊化してからずっと、という古参の一つで、それが終わるというのは、ミラクの歴史が、また一ページなインシデントであります。ここらがちゃんと終わらせられる場所だ、というのはわかるんですが、もうちょっと見たかったかも、と思ってしまう部分もあります。大学編はたぶん成立しないというか、大幅に筋書きを変えないと厳しいだろうし、だから今終わるのは正しいといえるんですが、まあずっと読んできたのでどうしても、あります。
 今回最終回の『かんきつパンチ!』はちょっと色々足りない部分があった、というのが最終的な感想でしょうか。いい話に着陸できたのは評価できますけれど、そこまでがいわゆるパンチが足りなかったなあ、という印象を持っていたり。もっといろいろ、はじけられれば違ったのかも、だけど作風じゃないだろうしなあ。そういう意味ではあと一つ、何かがあれば。そう思ってしまったり。しかし、一巻出さずに終了とは……。ミラクも世知辛い感じであります。