『まんがタイムきららミラク』2017年12月号 感想

今号の巻頭漫画感想

はりかも『うらら迷路帖

九番占試験、佳境! というのに理事長の娘りらさんを追いかけてしまう千矢さん。そこに深い意味はないのですが、でもなんだか見過ごせない、というある意味占いより確かな嗅覚と、くろう占いでりらさんの悩みへと。と言う感じの回でした。綺麗にまとまった形で、このタイミングでこの〆かた、きらら連載があるとは言えど、なのは本当にとんでもないことなんですが、中々伝わらないかもしれません。水際立った、と言うと変ですが、それくらいにはすぱっと決まる回だったのです。
それにしても、今までどんな占いでも見抜かれなかったりらさんの悩みをすぱっと見抜く、というのは二重の意味で面白いです。くろう占いの冴えが鋭いということが示唆する、今後の千矢さんの活躍への期待で生まれる面白さと、りらさんの悩みが見抜かれなかったのが、それを見せまいと邪険にすることによってだった、からのそこを踏み込んだ千矢さんの強引さが際立つことの、でもだからこそな面白さです。ある意味この漫画らしい魅せ方と踏み込み方でありました。きらら本誌に移っても、このノリを維持していただきたいものです。

個別チェック三連撃

あfろ『mono』

きららミラク途絶による配置換えで唯一キャラットへと飛ぶことになった本作。でも、今回の内容としては特にそういうの意識してない辺りが流石のあfろ先生と言えるでしょう。伊達にきらら☆マギカの終わりまで居座っていた訳ではないのですよ!
という冗談はさておき、今回はハルノさんの旧友が登場し、ハルノさんは何だか知らんがな内に突如ツーリングへと駆り出されます。そこからのお話というか、何故旧友はツーリングしながら撮影なんてしているのか、という内実が語られたりします。確かに、イマドキだなあ。という感想になりますが、それでもそういうのもあるのか。と井の頭五郎顔になるくらいには納得できる話でありました。しかし、ヤエーッ! をトラクターにするのは無しですよ、ハルノさん。

描く調子『広がる地図とホウキ星』

体育祭だよ! ということで今回を終えると一旦Web連載へと向かっていくというのに、全くその辺を意識していない、こうなったらやることをやるまでだ! という一種の割り切りが素晴らしく決まっており、その上で新キャラも出してくるので、もうやるならやるといいよ! という視座を立ち上げなくてはやっていられません。やってくれる!
さておき、魔法がある中で色んな行事をどうするのか、というのを毎度しっかりしているこの漫画の面目が躍如る所で、今回も乗り物リレーの乗り物の範疇がホウキからローラーブレード、果ては動物も可という幅広いもので、しかも結構校外にも出るという大掛かりな一戦。それをしっかり魅せて楽しませてくれました。このままWeb連載も頑張って、長く続いてほしいものです。

ちろり『お願い!ロイヤルニート

今回のきららミラク終了の余波を受けて、ロイヤルニートの館は爆発しました。爆発したのです。と書くとミラク終了がネタになっているようなので軽く訂正しますが、最終回になったからなのか、とにかく爆発しました。最後の最後で爆発オチというある意味ネタ最終回をぶっこんで来たちろり先生の何とも言い難い何かは流石すぎます。今後、どういう活躍をされるにしても、結構危険な弾になるだろうなあ、というのを予断せずにはいられません。今回の内容? 爆発オチだよ!

今号の巻末漫画感想

上下『魔王城のお姫様』

メルルとマール、ついに邂逅!? と思ったらメルルがまたなんか使っちゃいけないタイプの物を使ってしまって、という流れで、マールさんがメルルさんの妹だなあ、というのを感じつつ、さてこの漫画続きはどうなる!? という、今回のミラクの中でも一番続きにちゃんと誘導する内容で終わりました。他の作品はほぼその辺考えていないというのがやけっぱち感には、むしろ凄みすら感じますが、そんな中でこういうちゃんと続きに、と言うのを見ると安心してしまいます。個人的な趣味で言えば結構好きな作品、よくない所も含めて、ですが、さてWeb連載どうなるか。

最後の総評

最後に書くことと言えば、この号でミラクが終わってしまって本当に惜しいという気持ちだけでしょう。ぶっちゃけた話、『桜Trick』が終わるまで出来たのがむしろ救いだったかとも思うのですが、でももうちょっと見ていたかった漫画も多く、一応、それらが他に移籍はしたりしたのでその点は少し救いはありましたけれど、でもミラクという枠でこそ出来る漫画、例えば『まちとびカルテット』とか、もある訳で、だから勿体ないなあ、と思わずにはいられません。
とはいえ、そこはビジネス。金にならないならどうしようもない、ということでもあるんだろうな、とは理解は出来ます。納得できないですけれども、理解は。もう一段、大当たりするアニメ化作品とかあれば、だったのかなあ。とも思ったりするのですが、それは置いておきましょう。死んだこの年の数を数えても、ですし。
個人的なミラクへの興味というのは6年という年を経て様々に変化しましたが、一番大きな変化はどこだったかなあ、と思うと、やはりアニメ化作品が出たころ、と言うことはなく、柊ゆたか『Good Night! Angel』とはりかも『夜森の国のソラニ』終了辺りかなあ、と。その辺りでは桜Trickを含めての3TOP体制だと勝手に思っていたので、そこがかつかつと落ちていったのが、なんというか潮目が変わったな、という気持ちになった頃合いです。その後、アニメ化作品も出ましたが、そっちもいいけどミラク誌もね! って気持ちだったりも。その辺の、視聴者が読者になる、というのが薄い時代なのかなあ、とか勝手に思ったりもしますが、そういうのはまた置きましょう。
とにかく、6年という短いような長い期間、楽しませていただいたまんがタイムきららミラクには、本当に感謝の念というものが出てくるばかりです。本当に、終わってしまったんだなあ、とこれを書いて感じ入りつつ、この項を閉じたいと思います。